Roviは、アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2013」の開催に合わせ、10月1~4日、「プライベート展示会 2013」を開催した。4K映像やHEVCに対応した「DivX 10」やHTML 5ベースの電子番組表「GガイドHTML」を紹介した。

●4K画質のコンテンツがインターネット経由で手に入る時代へ

Roviの「DivX 10」は、次世代の映像圧縮規格として期待されるHEVC(High Efficiency Video Coding/H.265)の作成/再生に対応した無償ソフトウェア。この「HEVC」こそ、4K時代開幕の鍵なのだ。

「CEATEC JAPAN 2013」では、4K対応テレビが注目を集め、メーカー各社が4K対応テレビを展示。NHKやスカパーJSATらは基調講演で4K/8K放送のロードマップを紹介した。地上波がアナログ放送からデジタル放送に切り替わったように、HD/フルHDの映像が4K映像に切り替わる時代がやがて来る――。

この4K映像を配信するために、クリアしなくてはならない課題が一つある。フルHDの約4倍の画素数をもつ4K映像だが、それゆえデータ容量が大きくなる。既存のデータ圧縮方式で配信するには電波やインターネットの帯域幅は十分とはいえない。この大容量の4K映像データをいかにコンパクトにするか、それが大きな課題だ。

そこで注目されているのが、次世代の動画圧縮規格「HEVC/H.265」だ。「HEVC/H.265」は「H.264/MPEG-4 AVC」の後続規格で、「H.264」の半分のビットレートで同等の画質を提供する。つまり、2倍の圧縮性能をもつ。Roviが実施したテストでは、「DivX Plus HD(H.264)」に比べて「DivX HEVC 1080p」のファイルサイズは30~40%小さくなったという。つまり、半分までにはいかないが、3分の2ほどに圧縮できるということだ。

「DivX HEVC」は数カ月以内に4K/60p映像への対応を予定しており、今後、HEVCコーデックを採用した配信サービスが実現すれば、4Kなどの高画質でもファイルサイズを大幅に抑えられるほか、回線速度に応じて画質を自動切り替えするアダプティブストリーミング機能を活用して快適なストリーミング配信も可能となる。つまり、インターネット経由で4K映像を楽しめる時代がすぐそこまで来ているのだ。

●未来の番組の詳細情報がわかるHTML 5ベースの電子番組表「GガイドHTML」

最近は、テレビ番組をリアルタイムで見るより、録画して見る人が多くなった。録画予約の際、誰もがお世話になるのが電子番組表だろう。1週間先のテレビ番組を確認できるだけではなく、映画、ドラマなどのジャンルや、出演者名やキーワード検索などができる。

パナソニックやシャープのテレビ、レコーダーやスマートフォンのアプリとして提供している電子番組表「Gガイド」は、米国Rovi Corporationが提供する電子番組表技術である。そのRoviが次世代の電子番組表として発表したのが、HTML 5ベースの「GガイドHTML」だ。

通常、電子番組表のデータは放送波に乗せて各放送局から配信している。ただ、このデータは情報量が少なく、テキストベースで2~3行程度。対して「Gガイド」は、放送波だけではなく、インターネットからも情報を取得することができ、出演者の顔写真や番組構成など、ビジュアルで確認することができる。

「GガイドHTML」の番組情報を開くと、Roviのクラウド上にあるデータから、番組出演者や番組のロゴなどの画像も表示できる。出演者の名前の下には一週間先までの出演番組数が表示され、クリックすると出演する番組を一覧で表示。この番組一覧から出演者を確認して……などと、さまざまな番組情報が得られる。なお、インターネットにつながっていない場合でも、放送波から情報を取得するので、番組表は確認できる。

このほか、選択した1局だけを表示する「1チャンネル番組表」や、好みの局を複数選んで表示する「マイ番組表」などに対応。番組ジャンルを判別しやすくする色分け表示は、1チャンネル番組表の時に背景の色が違うと見づらくなってしまうことから、従来の背景色から文字色に変更した。

BDレコーダーや録画対応テレビも、詳細な番組検索機能を搭載し、詳しい番組情報を表示できる。だが、番組内容の詳細表示に対応しているのは、録画済みのいわゆる「過去番組」だけの機種が多い。なぜなら、放送中の番組をオペレータが視聴し、放送中や放送後に詳細な番組情報を配信しているからだ。

これに対して「GガイドHTML」は、これから放送される未来の番組の詳細情報を配信する。Roviは、「2014年に発売される機器への採用を目指して訴求する」としている。