“映画ファンのための映画まつり”として知られ、関西で前年中に上映された作品からベストテンおよび個人賞を選出し、毎年豪華ゲストが来場して表彰式を行う、大阪の春の風物詩として映画ファンに親しまれる《おおさかシネマフェスティバル2018》。今年で 42年目を迎える本映画祭が、 3月4日(日)大阪市北区のエルセラーンホールにて開催され、同イベントのメインプログラムであるベストテン&個人賞の表彰式に主演男優賞の菅田将暉、桐谷健太、主演女優賞の蒼井優、新人男優賞の北村匠海ら豪華ゲストが出席した。

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主演女優賞は、『彼女がその名を知らない鳥たち』の蒼井優が受賞。蒼井は、昨年も『オーバーフェンス』で主演女優賞を受賞していたものの、仕事の都合で欠席しており、まずは浜村が「去年は来てくれなかったですね」と言うと「すみません…」と恐縮。蒼井が演じたクレーマー気質の主人公について「今回の蒼井優さんの役、僕は本当に驚きました。よく引き受けましたね」と浜村が尋ねると、「本当に不快な人しか出てこないのに、よく企画が通ったなと驚きました。キャストが集まったのは、白石監督の力だと思います」と答えていた。

主演男優賞は、『火花』『ビジランテ』の桐谷健太と、『火花』『帝一の國』『あゝ、荒野』の菅田将暉が受賞。まずは桐谷が登場し、その後、当初は欠席が伝えられていた菅田がスケジュールを調整し出席することが伝えられると観客からは大きな拍手が起こった。ようやく、ふたりにマイクが渡されると、ふたり揃って「いっぱい言いたいことありますよ」とつっこみ、「そんなにざっくりトロフィー渡しますか」と注文。さらに浜村が「今から漫才できますか?」と聞くと、ふたりで「僕たちコンビじゃないんですよ」とつっこむなど、トリオ漫才のような息の合ったところを見せていた。また、司会が『火花』を“花火”と間違えたことも「3人にひとりは間違えるんです」とふたりがフォローしていた。

ご愛嬌のような間違いもあったものの、独特の浜村節に常に笑いが絶えない表彰式となった。表彰式後に作品賞の『彼女がその名を知らない鳥たち』が上映されるため、最後に蒼井優が挨拶に立つと「涙を流して笑っているお客さんがいるような、こんなに楽しい映画祭はないと思います。たくさんの俳優仲間にここに来てほしいと思いますし、私もまたここに戻ってこられるように頑張りたいと思います」と語り、大きな拍手とともに表彰式は幕を閉じた。

■《おおさかシネマフェスティバル2018》
日時:3月4日(日) 開場9:30/開演10:00
会場:ホテル エルセラーン大阪

取材・文:華崎陽子