ドキュメンタリーの世界的祭典<山形国際ドキュメンタリー映画祭2013>が閉幕!

2013.10.17 17:34配信
インターナショナル・コンペティション部門でロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)を受賞したマハディ・フレフェル監督

世界的に知られるドキュメンタリー映画の祭典<山形国際ドキュメンタリー映画祭2013>が16日に閉幕を迎え、各賞が発表された。最高賞となるロバート&フランシス・フラハティ賞はデンマークのマハディ・フレフェル監督の『我々のものではない世界』が受賞。同監督は「信じられない。夢のようだ」と満面の笑みで喜びをかみ締めた。

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大賞となった同作は、パレスチナにルーツを持つフレフェル監督が、かつて自らも暮らし、今も親族の残るレバノン南部の難民キャンプを訪れ、パレスチナの人々の置かれた状況を浮かび上がらせた渾身作。審査員の足立正生監督は「難民となって生きることを強いられたパレスチナの人々の悲劇と苦難を通して、我々にある忘却というシステムを鋭く告発した映画だ」と作品を賞賛した。それを受けたフレフェル監督は「パレスチナの人々もここにいる我々も同じ空気を吸って生きていることを少しでも分かち合えたらうれしい」と語った。

一方、アジアの新進作家に焦点を当てたアジア千波万波部門の最高賞となる小川紳介賞は、ヴェトナムのズーン・モン・トゥー監督の『ブアさんのござ』が受賞。同監督は「信じられない気持ちでいっぱい。この作品はヴェトナム戦争の後遺症にいまだに悩まされている人がいることを、とにかく世界に知ってほしいとの思いで作りました。ヴェトナムに帰って協力してくれた仲間とこの喜びを分かち合いたい」と感無量の様子だった。

この大賞受賞作2作が象徴するように今回の開催は、戦争や大災害など、忘れてはいけない過去の出来事を決して風化させないという意思を感じる作品が目立った。ドキュメンタリー映画のひとつの側面である“人間の記憶に止める”ことの社会的重要性を実感した7日間だったといっていいだろう。

【おもな受賞一覧】
<インターナショナル・コンペティション部門>
ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞):『我々のものではない世界』(マハディ・フレフェル監督)
山形市長賞(最優秀賞):『殺人という行為』(ジョシュア・オッペンハイマー監督)
優秀賞:『リヴィジョン/検証』(フィリップ・シェフナー監督)、『サンティアゴの扉』(イグナシオ・アグエロ監督)
特別賞:『蜘蛛の地』(キム・ドンリョン監督、パク・ギョンテ監督)

<アジア千波万波部門> 
小川紳介賞:『ブアさんのござ』(ズーン・モン・トゥー監督)
奨励賞:『怒れる沿線:三谷』(チャン・インカイ監督、菜園村の人々)、『モーターラマ』(マレク・シャフィ監督、ディアナ・サケブ監督)
特別賞:『戦争に抱かれて』(アッジャーニ・アルンパック監督)

取材・文・写真:水上賢治

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