LINEは3月1日、法人向けLINEアカウントの新サービスとして、企業がLINEユーザーに重要な情報を通知できる「通知メッセージ」機能の提供を開始した。重要性・必要性の高い内容に限り、企業との間で「友だち」登録されていないユーザーにもLINEメッセージによる通知が可能になる。東京電力エナジーパートナー、中部電力、東京ガス、日本航空、全日本空輸、ヤマト運輸の6社が初期参画パートナーとしてサービスを提供する。

LINEが法人向けに提供する「公式アカウント」ではこれまでも、宅配便の不在配達をLINEメッセージで連絡するといった取り組みが行われていたが、従来は企業がLINEユーザーから「友だち」として登録されている必要があった。新サービスでは、企業とLINEがそれぞれ保有する電話番号情報をマッチングさせることで、企業は友だち以外のユーザーにもLINEメッセージを送信することができる。

LINEの出澤剛社長は、通知メッセージを開始する背景を「郵送物はなかなか開封していただけない。メールはスパムが多く本当に必要なメッセージが見つけられないといった課題がある。企業と消費者のコミュニケーションをよりよくするために、新しい取り組みを始める必要があった」と説明する。電話やメールよりも便利な連絡手段としてメッセージアプリの利用が広がっており、企業が顧客にLINE経由でも連絡できるようになることで、企業には業務の効率化とコスト削減、消費者には利便性の向上を提供できるとしている。

LINEでは、ユーザー情報の一部を公式アカウント運営企業に提供できるよう、1月15日にプライバシーポリシーを変更し、ユーザーに同意を求めていた。しかし、今回の通知メッセージ機能では、過去につながりのない企業からもLINEメッセージが送られてくる形となるため、セールやキャンペーン情報などの広告配信は禁止で、荷物の配達予告・不在通知、電気・ガス等の公共料金に関する通知、飛行機の遅延・欠航情報など、重要性・必要性の高い情報に限り送信が認められている。

また、LINEでは「ユーザーの電話番号情報はハッシュ化(一定のアルゴリズムによって復元不可能な形へ変換したデータ)して保有」(同社広報)しているため、企業とLINEとの間でユーザーの電話番号そのものがやりとりされることはなく、ハッシュ化した後のデータでLINEアカウントへのひもづけを行う仕組みとなっている。解約された電話番号が将来別の契約者に割り当てられる可能性を考慮し、通知メッセージには氏名や住所など個人が特定できる情報を含めることも禁止する。

企業向けのLINE公式アカウントは現在300あまりだが、サービスの性質上、とくに公共性が高いエネルギー・交通・運輸などの企業を初期パートナーとして選んだ。ユーザーの反応を確認しながら運用ノウハウを蓄積し、将来的にはEC、金融、行政など他業種への展開も図っていく考え。(BCN・日高 彰)

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