原口元気(浦和レッズ・写真左)と栗澤僚一(柏レイソル) (c)J.LEAGUE PHOTOS 原口元気(浦和レッズ・写真左)と栗澤僚一(柏レイソル) (c)J.LEAGUE PHOTOS

11月2日(土)、改修前の最後の聖地・国立競技場で、『ナビスコカップ』決勝を戦う2チームが決まった。2年目ぶり5度目のファイナル進出となる浦和レッズと、14年ぶり2度目の決勝進出となる柏レイソルだ。

浦和レッズ対柏レイソル ナビスコカップ 決勝 チケット情報

10月12日・準決勝第2戦のパフォーマンスは対照的だった。浦和は『ナビスコ杯』準決勝初戦で川崎フロンターレに2-3と逆転負けを喫したが、第2戦では1-0で勝利した。スコアだけを見ると接戦だと思われるが、90分間にわたって攻め続けた。前半終了後にペトロヴィッチ監督が「私が浦和に来て最も素晴らしいゲームをしている」と太鼓判を押すほどの内容であった。10月5日、大宮アルディージャとのさいたまダービーを4-0で大勝して以来、浦和の前線からのハイプレスな守備が決まっている。

一方の柏は、第2戦で横浜F・マリノスに0-2の完敗である。初戦の4-0のアドバンテージを生かす形となった。これで公式戦8試合勝利なし。しかも、決勝は主将・大谷秀和、左サイドバック・橋本和が出場停止の憂き目に遭った。

J1リーグ戦の成績を見ても、浦和が柏の上を行く。浦和は優勝争いを繰り広げる3位、柏は11位に低迷している。さらにリーグ戦13節の直接対決では、浦和が6-2で圧勝した。

ただ、リーグ戦の戦況やここ最近の調子を見て、「浦和有利」と決め付けるのは早計だ。一発勝負のファイナルでは、タイトル慣れしているチームが勝つ傾向がある。タイトル歴を比べると、浦和が2007年『ACL』制覇以来、栄冠から遠ざかっているのに対し、柏は一昨年はJ1リーグ戦、昨季は『天皇杯』を制している。今季も『ACL』でJリーグ勢最上位となるベスト4に進出した。

そもそもリーグ戦とカップ戦は別物と言われている。過去3年間の『ナビスコ杯』優勝チームのリーグ戦での成績を見ると、11位、6位、11位となっている。浦和は4度決勝を戦いながら、1度しか勝っていないのも気になる。そして、何よりも、ネルシーニョ監督の手腕である。名将が浦和の最終ラインを上げるコンパクトな守備に対して、無策で臨むとは考えづらい。

また、10月27日(日)・J1リーグ戦第30節が、より決勝を難しくするだろう。両軍は埼玉スタジアムで激突する。2週間連続で戦うことになるのだ。リーグ戦を『ナビスコ杯』決勝の前哨戦と位置付けるわけにはいかない。ただ、翌週のファイナルを見据えた90分間になるはずだ。

『ナビスコカップ』決勝のチケット一般発売10月20日(日)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選を実施中、10月18日(金)午前11時まで受付。