佐藤浩市

映画『人類資金』が10月19日(土)に公開初日を迎え、主演の佐藤浩市をはじめ、香取慎吾(SMAP)、森山未來、観月ありさ、岸部一徳、オダギリジョー、阪本順治監督、そして原作者の福井晴敏が丸の内ピカデリーで舞台あいさつを行なった。

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旧日本軍が隠匿し、その後、日米が共同で管理し様々な局面で裏金として使われたという財宝“M資金”の都市伝説をテーマにした本作。M資金10兆円で世界の経済システムをひっくり返そうとする男たちの戦いを描く。

33年前にM資金に関する本を読み、映画化を夢見てきたという阪本監督は「昨日は緊張して眠れませんでした」と告白。「今日を迎えて、今までの映画にはなかった感動を覚えています。7年前から動き出しつつ“人類(=人材)”はあったけど“資金(=制作費)”がなかったんですが(苦笑)、今は経済が一番ホットな時期であり(公開が)今でよかったなと思います」と感慨を込めて語った。

阪本監督の盟友として本作を含め10作を共にしてきた佐藤は「完成に向けてみんなが疾走していました」と述懐。撮影は日本国内のみならず、ロシア、ニューヨーク、タイでも行われ、各地を直線で結んだ総移動距離は地球1.3周分にあたる54,593キロ! 主演として各都市をめぐった佐藤は「マイル貯めりゃよかった(笑)」と話し笑いを誘っていた。

香取は最初にオファーを受けたとき「阪本監督に『慎吾に世界を救ってほしい』と言われましたが、最初は意味が分からなかった(笑)」と明かす。その後、難解な脚本を「こんなに何度も読み返したのは初めて」というくらい読み込んで撮影に臨んだが、佐藤に岸部、仲代達矢らベテランの名優陣との共演を「緊張の毎日でした!」と振り返った。

この日は、韓国人俳優で、暗殺者を演じたユ・ジテから公開を祝福する手紙が届いたが、香取、森山、観月らユ・ジテと共演した俳優陣は、190センチ近くもある長身で軍隊経験がある上に、本作のためにさらに体を鍛えたという彼とのアクションがいかに大変かを力説。「顔の位置が高すぎてキックが大変だし、(蹴ったり殴ったりしても)こっちの手足が痛くなる!」(観月)、「(アクションの台本通りに)跳ね返そうとしても本当に跳ね返せない」(森山)などなど苦労を口にする。さらに香取は「うろ覚えの韓国語や英語で話しかけたら日本語ベラベラでした!」と明かし、直接の共演シーンがなかったオダギリまで「遠くで見てました」と語るなど、みんなユ・ジテが大好きなようで会場は笑いに包まれた。

『人類資金』
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