『グランド・イリュージョン』を手がけたルイ・レテリエ監督 (C)2013 Summit Entertainment. LLC. All Rights Reserved.

高度なテクニックを駆使して銀行を狙うスゴ腕マジシャンの活躍を描いた映画『グランド・イリュージョン』が25日(金)から公開になる。本作の監督を務めたのは、『トランスポーター』や『タイタンの戦い』など、スピード感のあるアクション演出で定評のあるルイ・レテリエだ。

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本作は、“フォー・ホースメン”と呼ばれる4人のスーパーイリュージョニストグループが“幻を見せる”という大胆な手法を使って金庫の大金を狙う様を描いたエンターテインメント大作。『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグを始め、ウディ・ハレルソン、アイラ・フィッシャー、デイヴ・フランコが“フォー・ホースメン”に扮している。

本作はマジシャンを主人公にした作品だが、レテリエ監督は「マジシャンというのはある意味で嘘をつかない人たちだ」と語る。「彼らは最初に“ダマすからね”と宣言して、必ずダマしてくれる。大変な職業だと思うよ。観客にエンターテインメントを提供し、圧倒させなければならないのに、見ている方は仕掛け探しをしようとする。パフォーマーに対する目が厳しいんだ」。ちなみに映像で“マジック”を描く際、観客の目はもっと厳しくなる。「編集された映像を見る行為そのものが、マジック鑑賞の根本を覆すものなんだ。マジックは本来、巧妙なトリックを至近距離で見せるもので、生で見るからこそアッと驚くものだからね」

そこで監督は、映画全体をマジックショーのように描き“映画全体で観客をトリックを仕掛ける”という作戦を立てた。「マジックショーでは、アシスタントがいたり、マントがあったり、テーブルが回転したりして、観客をミスリードする。だから、この映画もカメラを常に動かし、動的な映像にしなければならなかった。動きを止めてしまうと、観客は変な安心感を覚え、余計な分析をし始めちゃうからね」。本作では息つく間もなくアクションや新展開が登場し、観客はジェット・コースターに乗ったかのような体験を味わう。そして映画が結末まで来たところで気づく。実は映画の冒頭から“トリック”が仕掛けられていた!と。

ちなみに観客を上手にダマす際には“LESS IS MORE”がモットーだとレテリエ監督は言う。「今は観客の目が肥えているからCGを前面に出すとすぐに見抜かれる。原則として撮影したものの半分以上はリアルにして、上手にミスリードするんだ。右手を振ってそこに視線を誘導しながら左手でトリックをするんだ」

不可能な計画を次々に実現させていく“フォー・ホースメン”と、彼らを追う捜査官の攻防戦には、観客をミスリードする仕掛けと、アッと驚く結末が待っている。レテリエ監督とキャストたちが仕掛けた“マジック”に心して挑んでほしい。

『グランド・イリュージョン』
10月25日(金) 新宿ピカデリー他 全国ロードショー

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