――06年にDIR EN GREYがMTVのPV音楽賞(HEADBANGERS BALL PV 2006)を受賞したり、07年にメジャーデビューしたVersaillesがフランスを中心としたヨーロッパ地域で注目を集めたりと「海外でヴィジュアル系が人気」という報道が日本で徐々にされるようになった時期ですね。

Shiba:まさにその頃です。メキシコでもヴィジュアル系が盛り上がって来てる最中でした。現地で一番最初にライブをしたヴィジュアル系バンドはBLOODで、メキシコに関していえば彼らがシーンを開拓したという感じです。

当時のことを知っているファンはみんな「(BLOODがメキシコに来たことが)スタートだった」と言いますね。それまでは日本のヴィジュアル系バンドはライブをしてなかったんです。それからも彼らは頻繁にメキシコでライブをやるようになってファンを掴んでいって。あとはやっぱりMALICE MIZERです。

 

「BLOOD [Bathory] 」10年以上前から精力的に海外公演を行っているBLOOD。

 

――現在は活動をしてないMALICE MIZERの存在をどうやって知るんでしょうね。

Shiba:メキシコはゴス系のファンが多いんですね。それで友達同士で情報を共有したり、インターネットで知っていくみたいなんです。ゴス系の人は世界のゴス文化を調べますから。そうやってYouTubeでMALICE MIZERの動画を観たりしてるみたいです。とあるファンの子はメキシコの「MANA」というロック歌手が好きで、それを調べていたらMALICE MIZERのMana様に遭遇してファンになったらしいです(笑)。

 

原宿系のファッションやヴィジュアル系が好きな人たちの集会の写真。

 

本格的なコスプレ!
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――アニメの主題歌からヴィジュアル系を知る人も多いと聞きます。

Shiba:そうですね。特にナイトメアはアニメの『DEATH NOTE』から人気に火がつきましたね。BLOODも最初はアニメのイベントで来てましたし。

――ヴィジュアル系バンドの海外ツアーというとアジア、北米やヨーロッパが多かったのが3,4年前から南米も周ることが増えましたよね。

Shiba:その頃のメキシコのファンは日本で人気のバンドはメキシコに来てくれる訳が無いと思っていて、「いつか日本に行ってライブが観たい」というのがメキシコのファンの人の夢だったんです。そしたら09年にMUCCやアンティック-珈琲店-、MIYAVIが来てくれて。とくにアンティック-珈琲店-はメキシコで人気が凄いので、ファンは「まさか来てくれるなんて!」と。そのあたりをきっかけにプロモーターもいろいろなバンドを呼ぶようになって。