時短家電を代表するロボット掃除機

「お母さんはゆっくり休んでいて。掃除はやっておくから」。“母の日”という特別な日にだけ、母親は家事から解放される。いまだに「女性が家事をする」というイメージが根強い日本では、よくみられる光景だろう。この特別な日を日常にするのが、ロボット掃除機だ。

ぐるなびが昨年5月に発表した「2017年 母の日に関する調査レポート」では、「母の日には家事から解放されたいと思いますか?」という質問に対し、約8割が「そう思う」と回答。解放されたい家事のトップが「食事の支度」、次いで「掃除」が続く結果から、家事の中でも掃除の負担は大きいということがわかる。

その掃除を自動で済ませてくれるロボット掃除機は、母の日のギフトに最適といえる。とりわけ人気が高いのは、日本のなかでは最長といえる15年の歴史を持つアイロボットの製品、「ルンバ」と「ブラーバ」だ。

アイロボットジャパン 営業本部の中山健太郎営業本部長は、「掃除は部屋の状態を-(マイナス)の状態から+(プラス)の状態へ引きあげる家事なので、余計に手間と感じてしまう。ロボット掃除機を使えば、手間がかかる時間を短縮できる。空いた時間をほかの有意義なことに使っていただき、ユーザーの世界を変えていきたい」と目標を語る。

スケジュール機能を搭載したルンバは、設定した曜日・時間に部屋を動き回って掃除をする。ホームネットワークに接続できるモデルなら、外出先からでも掃除を指示できる。充電は自動。入って欲しくないエリアには見えない壁を設定できるなど、細かい配慮も施されている。

ユーザーからは「床掃除は任せている」といった声は少なくないという。また、「ルンバの通り道を確保するために、床に物を置かなくなった」と、副次的な効果もあるようだ。とくにペットがいる家庭では、知らぬ間に落ちていた毛を知らぬ間に掃除してくれるため大活躍する。

懸念されることの多い隅の掃除については、「スティックやキャニスター型の掃除機と同等かそれ以上」(中山本部長)。手持ちの掃除機のヘッドをよく見ると、吸引でしか隅を掃除できない設計になっている。一方ルンバは、回転するブラシで掃除するという仕様だ。さらには、毛のブラシではなく、波のついた樹脂でごみを収集しているため、ブラシを掃除する手間もかからない。一点だけ注意したいのは、ルンバは飛んだり跳ねたりできないため、階段や棚の上は掃除ができないことだ。

もう片方のブラーバは、雑巾がけを自動でこなすロボット。水をこぼした時だけでなく、普段使いでも活躍する。人の足の裏からくる、掃除機では取りづらい汚れや皮脂を掃除できるのが特徴となっている。

同社 マーケティング本部 マーケティングコミュニケーション部の金子理恵ブランドマーケティングアシスタントマネージャーは、「複数人で資金を出し合って購入するケースもある」という。価格のバリエーションが豊富なため、資金と照らしあわせて選ぶことができる点も、アイロボットの強みだ。ロボット掃除機を贈ることは、毎日の時間をプレゼントするに等しい。一考の価値は、あるだろう。(BCN・南雲 亮平)