ペトロヴィッチ監督(浦和レッズ)  (c)J.LEAGUE PHOTOS ペトロヴィッチ監督(浦和レッズ)  (c)J.LEAGUE PHOTOS

11月2日(土)・国立競技場で「ナビスコカップ」決勝を戦う浦和レッズと柏レイソルが、10月27日(日)・J1リーグ戦第30節で激突する。中5日での連戦だ。『ナビスコ杯』は是が非でもほしいタイトルである。だが、リーグ戦を決勝のテストマッチと位置づけることはできない。これはペトロヴィッチ監督(浦和)、ネルシーニョ監督(柏)の頭を悩ますことになるだろう。

10/27(日) 浦和レッズ対柏レイソル J1リーグ戦 チケット情報

両指揮官をさらに悩ますのが、出場停止である。浦和はリーグ戦でFW・興梠慎三とDF・森脇亮太を欠く。柏は『ナビスコ杯』決勝でボランチ・大谷秀和と左サイドバック・橋本和が出場できない。必然的に2試合を通じて、同じ戦い方はできない。

ただ、浦和は戦術、システムを含め、選手の入れ替えで第30節に臨むだろう。右センターバックに坪井慶介を入れ、1トップにはマルシオ・リシャルデスを配すはずだ。ボールを保持するパスサッカーを目的とした3-4-2-1は、10月に入って、前線からの連動した守備が功を奏し、内容と結果の両立を実現している。

リーグ戦第29節・鹿島アントラーズ戦を2-1で勝利したペトロヴィッチ監督は「ここ最近、非常に攻撃の組み立てのところで安定感を見せられていると思う。バリエーションが豊富で、攻撃の形を組み立てることができている。ここ3試合を見れば、チームとして安定した戦いができてきている」と、自信を覗かせた。

ハイプレスが決まれば、柏のカウンター封じにもつながる。さらにかつては、ボールを保持することや攻撃の形にこだわりすぎる傾向があったが、今では時間帯や局面などによって、守備に重点を置く戦い方も見せるようになった。積極的な守備とある程度引いた守備、このふたつの引き出しが、分厚い攻撃へ導いているのだ。

一方のネルシーニョ監督は、今週末のゲームでもシステムを試してくるだろう。前半戦はDF4人・MF4人、FW2人の4-4-2をベースに戦い、3-4-2-1や4-1-4-1、3-4-1-2など、チームの調子や相手チームの戦術に合わせ、システムを変えてきた。4-4-2と言っても、中盤の4人をダイヤモンド型に並べたパターンと、守備的MF2人と攻撃的MF2人を並べたパターンを有す。『ナビスコ杯』決勝では3-4-2-1でマンマークで張り付くシステムが予想されるが、10月27日(日)も同じ配置で臨むのか。柏はリーグ戦で中位に位置するだけに、試合展開や時間帯によっては、第30節を決勝への試金石と割り切ってくる可能性もある。

自らの哲学である攻撃サッカーを貫きながらも、選手たちが考え実践するハイプレスも取り入れるペトロヴィッチ監督と、選手たちに徹底した規律を求め、豊富なバリエーションのシステムも誇るネルシーニョ監督。タイプの異なる名将は、必ずやJ1リーグ戦第30節で『ナビスコ杯』を制するヒントを探し出すはずだ。10月27日(日)・埼玉スタジアム2002・浦和レッズ×柏レイソルはチケット発売中。