TRICERATOPSがライブツアー「TRICERATOPS SUMMER TOUR 2013」を6月21日、神奈川・横浜BLITZよりスタートした。

昨年行われたデビュー15周年記念ツアー以来、1年ぶりのツアー。今回のツアーに対し、Vo/Gの和田唱は自身のTwitterで「今回のセットリストは今までにない感じ」と記しており、昨年大きな節目を迎えて、また新たなトライセラの一面が見られるのでは、という期待が高まるツアーだ。

開演時間となり、メンバーの3人がステージに上がる。MCもなく、そのまま演奏をスタート。ツアー中につき曲名の紹介は避けるが、最初の曲はイントロがなった瞬間に大きなどよめきが起こるほどで、先に記した和田の言葉に嘘はない事を感じさせる。続けざまに数曲披露したあと、和田がMCで「心の中を全部見せてもらって良いですか?」というと、満員の観客は大きな歓声で応えた。

その後も多くのアルバムの中から満遍なく楽曲が披露されていく。演奏では、和田はステージを広く使いながら、大きなアクションを交えギターを鳴らし、対照的にBaの林はステージを動き回るという事はないが、濃密なプレイで楽曲の根幹を担い、観客にリズムを刻ませる。そしてDrの吉田が、正確で力強いドラミングにより、楽曲全体の形を作り上げる。サポートも入れず3人のみの演奏でありながら、ダイナミックなサウンドを感じられる、トライセラの真骨頂がこの日のライブでも存分に発揮された。

また途中では、3人によるアコースティックセットも披露。吉田がカホンを使用するため、ステージ前方に移動すると、その3人並んだ光景を見て、和田が「アリスみたい」と言い、会場から笑いが。するとBaの林が「もう何度言ったか分からない」という「タクシーで堀内孝雄に間違えられた話」を披露。「この話15年言い続けているって凄いね」とメンバー同士で笑いあう仲の良さを伺わせる場面もあった。

中盤のMCで「トライセラのライブに初めて来た人?」と言う声に手を挙げた観客に対し、とても嬉しそうな表情を見せた和田。この日のライブは、通好みのセットリストでありながら、それによりトライセラの持つ「演奏の素晴らしさ」「楽曲のグルーヴ感」が上手く表れて、初めて来た人にもバンドの魅力が伝わったライブになったのではないかと感じた。

ツアーはこの後、7月30日(火)の東京・赤坂BLITZ公演まで続き、今年の冬にもライブツアーが決定しているというトライセラ。今回のツアーでは会場ごとにセットリストを入れ替えているらしいので、気になる方はライブへ足を運んでみてはいかがだろうか。