正直、前回の恵比寿ガーデンホールでのライブはあまりピンとこなかった。セットリストは素晴らしかったし、あまりぐだらずきちんと進行し、普通に考えたら「いいライブ」になるはずのまともなライブ。だけど、その可もなく不可もなく、な感じにわたしは戸惑ってしまった。「神聖かまってちゃんが、こんなに普通のいいライブで終わるんだなぁ」と。「彼らはついに、神聖かまってちゃんを無難にこなせるようになってしまったのだなぁ」と。こういうライブが続くのであれば、自分がかまってちゃんを追いかける理由はなくなるな、と思った。

でも最後にの子さんが「次のライブはLEDを入れてやるので」と言ってたから、次に期待しよう、て思った。これまでに彼らがLEDを入れたライブは、映画『劇場版神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』 で映像が使用されている『ディスイーズ!ヒストリーーー!!! 』を始め、のきなみ感動で鳥肌の立つライブだったから。

その日は残業のため、会場についたときにはライブ開始からすでに1時間が経っていた。見るからにローな雰囲気。ステージの空気がピリピリしている。LEDのコメントにも「今日テンション低いな」という言葉が流れていた。それでもミラーボールがキラキラ回転してLED画面いっぱいに流星があらわれ「あしたのお弁当にから揚げが入ってますように」など“星に願いを”なコメントが舞っていた『夜空の虫とどこまでも』 の、会場と在宅で空間を作り上げるさまにはうっとりしたし、今回が初披露となる 『算数の先生』のカオスには胸が躍った。

しかし、ここで「あと2曲なんですけど……」のMCが入る。「えーっ! 俺まだ5曲しかやってねーよ!!!」というの子さんを制して、さくさくと曲を決定していくちばぎん氏。『ゆーれいみマン』のラストで「こんなもんじゃねぇーーー!!! こんなもんじゃ終われねぇんだよー!!!!」と叫ぶの子さんを尻目に間髪入れずベースラインが鳴り、ラップをはじめるmonoくん。を、蹴散らすようにフリースタイルで応戦するの子さん。『いかれたNEET』 になだれ込む。「やっとテンションが上がってきたな」というコメントが流れるも、曲が終わると退場するメンバーたち。

ひとりステージに残りコメントを読み上げながら、「限界までやれ? やりますよ!」などと言い会場を沸かせ、「あたりめえだよコノヤローバカヤロー! なんのために僕がコーストにきたと思ってるんだよ!(リズムマシンを投げ捨て台に立って)お客さんがここに来てくれたっていうことは、それなりの、熱い魂のぶつかり合い摩擦熱! そっから生まれるメラゾーマがほしいんだよ僕は!!!! まだメラゾーマじゃねえぞテメエらーーーー!!!!!」と絶叫するの子さん。「今日はぜんぜんぬるいコメントしかねえんだよ!! もっとコメントしろお前ら!!」というように、この日は全体的にコメントが少なかった。ニコ生実況でアリーナの発言を優先的に拾うのは、画面をちゃんと見せるための配慮なのかもしれない。かまってちゃん公式のほうはもっともっとコメントがあったようだ。