半世紀以上の歴史を誇る「ウルトラマン」シリーズの最新作『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』が3月10日から全国公開される。最新ヒーロー、ウルトラマンジードの活躍を描いた本作で、主人公・朝倉リクと沖縄で出会い、物語の鍵を握る女性・比嘉愛琉を演じているのが本仮屋ユイカ。特撮映画初出演の感想、役に込めた思いを聞いた。
-特撮映画への出演は初めてだそうですが、最初に台本を読んだときの感想は?
歴史あるTVシリーズの世界観に、今回演じた愛琉のストーリーもたくさん織りなされていて、とても感動しましたし、うれしかったです。誰がこの役を演じていて、誰が変身して…と、最初は理解するのが大変でしたが、逆にこれを一つずつ覚えていくことで、物語やその世界観をイメージできるということにワクワクしました。
-そこからさかのぼって過去の作品を見たのでしょうか。
はい。教えていただきました。衣装合わせのときには、この衣装にも何かの意味が隠されていて、それを理解しておかないと着られないと思っていたので、「これは誰ですか?」「その後どうなったんですか?」など、一つ一つ確認させていただきました。そうしたら、それは前々シリーズから続いていて…というような話を聞き、「ウルトラの世界は、なんて壮大なんだろう」とびっくりしました。この「ウルトラマンジード」という作品だけではなく、ずっと続いてきたキャラクターや設定を引き継ぎながら、世界観を深めている。そのことにすごく感動しました。その歴史に、自分もこれから加わっていくのかと思うとうれしかったです。
-そのあたりを踏まえて、比嘉愛琉という役をどのように捉えて演じましたか。
愛琉は、故郷の星を失い、地球にやってきた宇宙人ですが、私自身、人から「宇宙人みたい」と言われることも多くて、宇宙人が遠い存在だとは思っていなかったんです。その上、地球を愛し、守りたいと願っている愛琉は、私の気持ちともすごくリンクしました。もしかしたら、ここ10年で一番すんなり入れた役かもしれません。そのぐらい彼女が持つ使命感に共感しました。
-特撮に初挑戦した感想は?
今までも合成の経験はありましたが、今回はやっぱり撮影スタッフはもちろん、キャストの皆さんが特撮慣れしていましたね。その作業の手際の良さには、本当に驚きました。合成というと、「長い時間、集中力が必要だな」と気構える癖があったのですが、みんなすごくフラットな感じで合成場面の撮影に入っていくので、勉強になりました。
-お芝居の面では、他の作品との違いはありましたか。
普通のテンションで芝居をしていいのか、最初は迷いました。怪獣の声や攻撃音などが入ってきたとき、通常のストレートプレイのテンションでやると、画に合わないことが起き得る。だからといって、それとかけ離れた形でやるのもまた違うし…。なので、自分だったらどの辺が一番楽しめるかなというところは、最初は探りながら演じていました。もしかしたら、皆さんより若干オーバーなところがあるかもしれません(笑)。
-お芝居では主人公の朝倉リクを演じる濱田龍臣さんとの絡みが中心でしたが、共演した感想は?
ウルトラマンへの愛がすごくて、びっくりしました(笑)。ものすごく詳しかったので、私の疑問をすべて解決してくれました。だから、なるべくしてウルトラマンになった人なんだなって。ウルトラマンが大好きで、ウルトラマンになりたくて、本当にウルトラマンになっちゃった人。素顔は17歳の少年ですが、小さいときからお仕事をしているので視野も広くて、頼りになる座長でした。私も17歳の時に朝ドラのヒロインをやったので、同じ年齢で節目になる作品をやっている彼を見て、「頑張れ!私もそうだった!」と、心の中で応援していました(笑)。
-愛琉はグクルシーサーという怪獣とも心を通わせますね。
愛する相棒です。現場では映像がないので、見せていただいたデザインのイメージだけでお芝居をしていたのですが、アフレコのときに映像を見たら、その絵よりもさらにかわいく、かっこよくなっていました。あまりにすてきで「これだったら、もっとこういう感情でやりたい!」と気持ちが動いたので、アフレコで変えた部分もあります。他のみんながそれぞれ自分のフィギュアをめでているのを見て、うらやましがっていたら、「グクルシーサーもきっと何かアイテムが出るよ」と言われてものすごく興奮したので、本当に出てほしいです(笑)。
-ご自身が考えるこの作品の見どころは?
一度挫折したリクくんが、もう一度みんなと一緒に戦おうと気持ちを立て直すところです。台本を読んで結末を知っていて、演技もしているのに、アフレコで見たとき、とても感動しました。みんなが希望を持って、同じ思いになって心を合わせて、こんなにもピュアな思いが集まるとやっぱり感動するんだなって。とても好きなシーンです。
-愛琉の出演シーンで気に入っているところは?
初めて地球に降り立った彼女が、グクルシーサーと出会うシーンがとても好きです。あの場面は、地球の美しさに対する感動と、自分の故郷を失ったという切なさと、同じ使命感を持っているグクルシーサーに対するシンパシーをテーマに演技しました。出来上がった映像を見たら、イメージ通りだったので「なんて私は素晴らしいんだ!」と自画自賛していました(笑)。
-お気に入りのせりふはありますか。
うれしかったのは、やっぱり初めて地球に降り立ったシーンの「緑、空、海、美しい…。」というせりふです。私自身、この地球の環境のために、みんながより幸せになるように、と思いながら日々生きて、仕事をしたいと思っています。だけど、それをダイレクトに表現できる機会はなかなかありません。そんな中で、こんなにストレートに言っていいんだと…。俯瞰(ふかん)した広い視野を持っている愛琉だからこそのせりふで、なかなかできるお芝居ではなかったので、やっていてすごく幸せでした。今のこの地球を美しいと言えるのは、とてもありがたかったです。
(取材・文・写真/井上健一)
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