魔夜峰央の同名ギャグマンガの舞台化第2弾新作公演、舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★が3月15日(木)に開幕する。その稽古場に潜入した。

舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★ チケット情報

マリネラ王国国王のパタリロが巻き起こす騒動を描く本作。第2弾となる今回は、ビョルン&アンドレセン(小林亮太)やロビー少尉(三津谷亮)が登場する人気エピソードを基にしたストーリーとなる。キャストは、パタリロ役の加藤諒、バンコラン役の青木玄徳、マライヒ役の佐奈宏紀ら初演キャストに加え、小林亮太と三津谷亮、蒼木陣、富岡晃一郎が初参加。初演に続き脚本は池田テツヒロ、演出は小林顕作が務める。

稽古場に入ると、パタリロとタマネギ部隊のかけ合いをつくっている最中だった。漫画のシーンが思い浮かぶコミカルな芝居に、演出の小林(顕作)はときに大笑いしながらも、台詞に合わせたポーズをつけたり、動きのリズムを整えたり、タイミングを調整したり…。細部にこそ徹底的に演出をつける姿が印象的だ。稽古は、シーンを通すたびに笑いが生まれる和やかで自由な雰囲気。中でも加藤の濃い芝居に小林(顕作)やキャストが吹き出し、小声でツッコむ姿がよく見られ、その空気もパタリロの愛らしくクレイジーなキャラをのびのびと育てているように感じた。

また、初演で恋が始まったバンコランとマライヒは、今作では一歩進んだ関係に。力関係が若干変わった(!)新たなふたりが楽しめそうだ。稽古中、バンコランの歌&ダンスを見学しながらマライヒ役の佐奈が踊る様子にも、ふたりならではの関係性が感じられる。この空気感はそのまま舞台で堪能できるはず。

初演でも好評だった音楽は、今作のための新曲もたっぷり。例えばビョルンの登場シーンなどは、自信過剰な美少年キャラ満載の歌&加藤をはじめとしたダンスが楽しい。楽曲により、原作を知らずともすぐにキャラクターが掴めるのも魅力だ。休憩中に三津谷が歌うと小林(亮太)と佐奈がハモり始める場面も見られた。美しいハーモニーが楽しめそう!

全員同じビジュアルで登場するタマネギ部隊も、今作では一人ひとりのキャラが初演より濃厚に。「パタリロ!」で最もシリアスと言われるロビー少尉にまつわる物語にも大きく絡むので、その活躍にも期待してほしい。さらに、魔夜メンズ(魔夜峰央の世界観すべてを表現するスペシャルエキストラ)のスゴさも健在!あらゆるシーンで絶妙な存在感を放ち笑いを生んでいた。小林(顕作)は魔夜メンズの笑いに特に熱く指示を出していたので、そこもぜひ注目して。

公演は3月15日(木)から25日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、3月30日(金)から4月1日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

取材・文:中川實穂