『ウィ・アー・ザ・ベスト!』のルーカス・ムーディソン監督

第26回東京国際映画祭が25日に閉幕し、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズでのクロージングセレモニーで各賞の発表と授賞式が行われた。最高賞にあたる「東京サクラグランプリ」に輝いたのは、スウェーデンの『ウィ・アー・ザ・ベスト!』(ルーカス・ムーディソン監督)。コンペティション部門の審査員長であるチェン・カイコー監督は「満場一致での結果」と選考に満足げな表情。コンペ部門に出品された『ほとりの朔子』『捨てがたき人々』は無冠に終わっている。

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『ウィ・アー・ザ・ベスト!』はパンクバンドに情熱を注ぐ女子中学生の日常を瑞々しく描いた青春ストーリー。トロフィーを手に「まったく予想していなかった」と驚きの表情だったムーディソン監督は、その後の受賞者会見で「ユーモアがあって、笑い飛ばすことのできる映画。そこが評価されたのでは」と分析。カイコー監督は「エネルギッシュな魅力と情熱がある。ティーンが喜び、悲しみ、失望しながら成長する普遍性が描かれており、大人たちが一番、共感できるものだった」と評価していた。

10月17日から25日まで9日間開催された第26回東京国際映画祭は、97本の作品が上映され(総上映回数は303回)、3万5139人を動員した。

第26回東京国際映画祭/受賞結果
■東京サクラグランプリ:『ウィ・アー・ザ・ベスト!』(ルーカス・ムーディソン監督/スウェーデン)
■最優秀監督賞:ベネディクト・エルリングソン(『馬々と人間たち』/アイスランド)
■最優秀男優賞:ワン・ジンチュン(『オルドス警察日記』/中国)
■最優秀女優賞:ユージン・ドミンゴ(『ある理髪師の物語』/フィリピン)
■最優秀芸術貢献賞:『エンプティ・アワーズ』(アーロン・フェルナンデス監督/メキシコ=フランス=スペイン)
■審査員特別賞:『ルールを曲げろ』(ベーナム・ベーザディ監督/イラン)
■観客賞:『レッド・ファミリー』(イ・ジュヒョン監督/韓国)
■「アジアの未来」作品賞:『今日から明日へ』(ヤン・フイロン監督/中国)
■「日本映画スプラッシュ」作品賞:『FORMA』(坂本あゆみ監督/日本)

取材・文・写真:内田 涼

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