山東省と日本企業の経済交流促進を目的に開かれた「2018 中国山東省(東京)経済合作懇談会」にはおよそ300名が出席した

中国・山東省政府は3月9日、山東省と日本企業の経済交流促進を目的に「2018 中国山東省(東京)経済合作懇談会」を東京都内のホテルで開催。日中の関係者およそ300名が出席した。 山東省からは商務庁の佘春明 庁長をはじめ、済南市や煙台市など主要都市の副市長が出席し、各市の利点をPR。一方、日本からは現在山東省に進出している主要企業や進出を考える企業関係者などが出席し、交流した。

山東省は北京と上海の中間に位置する、GDP中国3位の経済規模を誇る省。約15万km2の面積におよそ1億人の人口を抱える。冒頭、中国・駐日本国大使館 宋耀明 公使や日中経済協会 伊澤正 理事長、JETRO(日本貿易振興機構)水井修 理事が挨拶。それぞれに山東省と日本企業との長い歴史や深いつながりを説明した。同省が取り組んでいる「成長エンジンの切り替え」と呼ぶ経済振興戦略についても言及した。

さらに、商務庁の佘春明 庁長が基調講演を行い、山東省の現状や経済政策について、次のように説明した。

山東省の2017年のGDPは7.3兆元、経済成長率は7.4%と、中国経済発展の最も活力と潜在力のある地域。例えば、消費財の消費額は9.8%増の3.4兆元で広東省に次ぐ中国第2位。特に自動車の保有台数は中国で最も多い。日本は山東省の対外経済貿易で最も重要なパートナーのひとつで、貿易額は第5位。紡績・アパレル・文化製品では最大の輸出先になっている。昨年の貿易総額は1446.5億元にのぼり、前年比で13.9%増加している。

日本企業の進出も盛んで、小松製作所やイオンなどを筆頭に累計1456社が進出し、105億ドルの投資を行ってきた。一方、ハイセンスが東芝の事業を買収するなど、山東省企業の日本企業への投資も盛んで、累計237社が25.2億元を投資してきた。

「成長エンジンの切り替え」戦略で、日本企業との投資・貿易交流の活性化も目指しており、特に先端型製造業、化学、情報、農業、福祉、観光などをはじめとする10分野に力を入れる。

こうした新技術や新産業などによって、AIの産業化や異業種の融合化などを進め、新興産業の規模を拡大しブランド価値向上などに取り組んでいく。省政府が600億元のファンドを用意、さらにその他の民間のファンドを合わせると総計6000億のファンドが用意。すでにおよそ600のプロジェクトが走っている。

懇談会に続き、懇親会も開かれ、あちこちで情報交換が行われていた。(BCN・道越一郎)