主人公に恋心を寄せる幼なじみ役を演じる横浜流星

 特撮テレビドラマ「烈車戦隊トッキュウジャー」(14)のトッキュウ4号/ヒカリ役で名前を知られるようになり、今年は現在発表されているだけで、話題の映画や5本のドラマに出演し、ブレークの気配を感じる若手俳優・横浜流星。一見、胸キュンラブストーリーが似合うイケメンだが、実は極真空手の有段者で、肉体派でもある横浜が、恋愛パートを担った本作での撮影エピソードや、俳優としての今後の展望などを語ってくれた。

 「しろときいろ~ハワイと私のパンケーキ物語~」は、パンケーキで有名なハワイのカジュアルレストラン「エッグスンシングス」の2代目日本人オーナーをモデルにした爽やかなサクセスストーリー。

 湘南に住む高校生の澤野夏海(川口春奈)がハワイでのある出会いをきっかけに、世界的人気店のオーナーになることを決意し、苦悩や挫折を味わいながらも、家族や仲間たちを支えにして、夢をかなえるまでの軌跡を描く。

 夏海に恋心を寄せる幼なじみの光山涼介役を演じる横浜は「こういうピュアなラブストーリーはこれまでに何回かやらせてもらっていますが、僕はそういう生活を送ってこなかったので、うらやましくもあり新鮮でもあります」と撮影を楽しんだ様子。

 自身の恋愛スタイルは「女性を好きになったら僕から行きますけど、慎重でグイグイは行けないし、すごく好きなのに冷たい態度をとるっていう小学生みたいなことをしちゃうので、あまりうまくいかないです。ドラマや映画みたいな恋は難しいですよね」と、はにかみながら21歳のあどけない一面を告白した。

 涼介役については「人懐っこくて誰からも愛されるし、自分の素直な思いを持ちつつ、夏海にとってのベストな道に向かって背中を押してあげられる人」と分析して撮影に望んだが、「こんなにも他人のことを自分のことのように喜んだり悲しんだりできるキャラクターを演じることが難しいとは…」と苦労したことを素直に打ち明けた。

 さらに「男らしいけど、男っぽ過ぎるというのは違うので、そのバランスが難しかったです」と渋い顔も見せるが、「春奈ちゃんが自然に夏海として存在してくれたから、僕も涼介としてそこにいることができました」と自信ものぞかせた。

 その様子は、15~20話あたりで見られるそうで、「僕もまだ見ていないので、どうなっているのか不安もあるけど、一番見てもらいたいところです」とアピールした。

 そんな横浜自身もサクセスストーリーを紡いでいる真っ最中。今年は、ジャニーズグループKing&Princeの平野紫耀が主演する恋愛映画『honey』に主人公のクラスメイト・三咲渉役で出演する。

 ドラマと映画でダブル実写化するラブストーリー『兄友』では、友人の妹に恋する西野壮太役で主演、男子高生4人の青春物語を描いた映画『虹色デイズ』では、片倉恵一役で佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、中川大志、高杉真宙ら、今が旬の若手俳優とカルテット主演するほか、現在は2本の配信ドラマに出演中だ。

 ブレークの兆しありと思えるが、当の本人は「いやいや、ないです(笑)」と意外な反応。10代の頃は同世代の俳優と比べたり、焦燥感に駆られたりしたこともあったという。しかし、今は「自分は自分だし、地道にコツコツと、一つ一つのミッションをがむしゃらに乗り越えていきたい」と意気込みを語る。

 「最近は、作品の中での自分の立ち位置や役に関して真剣に考えられるようになりました」と変化も明かすと、「監督やプロデューサーから『流星にこの役をやってもらってよかった』と言ってもらいたいし、見ている方の目にも魅力的に映るような役者になりたい」と言葉に力を込めた。

 謙虚な姿勢の横浜だが、極真空手の有段者で、中学3年生のときには世界大会で優勝した経験を持ち、身体能力の高さを競うスポーツバラエティー番組では、名だたるアスリートタレントとしのぎを削ったこともあったことから、アクション俳優としての活躍も期待せずにはいられない。

 近頃は空手の練習はしていないそうだが、毎日の筋力トレーニングは欠かさず、時間があればキックボクシングのジムにも通い、マッスルボディーと体力作りに余念がないというが、当の本人は「偏らずに、どんな役でもできる俳優」を目標に掲げ、「湊かなえさんの作品が大好きなので、サスペンスやミステリーで殺人者やダークな役をやってみたい」と語り、目を輝かせた。

 とはいえ、それは先の話で「まずは青春ものや恋愛ものがちゃんとできるようになりたい」と等身大の役から演技を磨き、徐々に振り幅を広げたていきたいという堅実な思いを口にした。

 そして、自身の大きな武器でもある肉体を使ったアクションも「いつかやってみたい」と声を弾ませる。恋愛、青春、ミステリーにアクションまでこなせる俳優となれば、向かうところ敵なしか。枠にとらわれずに躍動する横浜の将来が楽しみだ。

(取材・文・写真/錦怜那)