ジョシュア・マイケル・スターン監督、小室哲哉

アップルの創設者であるスティーブ・ジョブズの半生を映画化した『スティーブ・ジョブズ』のジャパンプレミアが29日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。初来日したジョシュア・マイケル・スターン監督が舞台あいさつを行った他、長年、楽曲製作にアップル製品を使っているミュージシャンの小室哲哉が駆けつけた。

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小室はジョブズ氏に捧げるトリビュートライブを行い「映画館でライブをするのは、初めてですね」。自身のユニット「globe」の名曲「Departures」、米ロックバンド「イーグルス」の代表曲「Desperado(ならずもの)」の2曲をメドレーで演奏し、そばで聴き入っていたスターン監督は、「エモーショナルな広がりを感じる音」と感動していた。

「ジョブズさんと僕の音楽人生は、切っても切れない縁がある」という小室は、「ミュージック・インダストリー(音楽産業)の根底を覆し未来を作った、すごいレボリューションを起こした人物」とジョブズ氏を称賛。「頭に思い描いたことを、実現しようとする姿には共感した」と創作の苦労を知る自身と重ね合わせていた。

スターン監督は「ジョブズ氏を一言で表すならビジョナリー。気難しい面もあった人物だが、未来を見据えるという点ではやはり天才」と語り、「数多くの革命を起こしたジョブズ氏の姿を、愛と敬意をもって映画化した」と没後初の映画化に自信を示した。

また、小室が「ジョブズさんはクリエーターであり、アーティスト」と持論を語ると、「特に若い頃は自分のビジョンに対し、テクノロジーが追いついていない現実にストレスを感じていたはず。そういう意味では、映画監督やミュージシャンと同じ」とうなずいた。

映画は仲間たちとガレージで“アップル”を創業し、次々とヒット商品を生み出すも、その傍若無人ぶりから周囲と衝突を繰り返し、ついには自分でつくった会社さえも追われてしまったジョブズ氏の半生と、彼が見据えたビジョンと信念の強さを描き出す。人気俳優のアシュトン・カッチャーが、ジョブズ氏を演じ、話し方や歩き方、しぐさを徹底的に再現した演技が“生き写し”“瓜二つ”だと高く評価されている。

『スティーブ・ジョブズ』
11月1日(金) TOHOシネマズ 日劇1ほか 全国ロードショー