興梠慎三(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 興梠慎三(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

『ナビスコカップ』決勝の前哨戦となった10月27日・J1リーグ戦第30節・浦和レッズ×柏レイソルで、両軍の指揮官、選手たちが確かな手応えを掴んだ。2-1で勝利した浦和だけではなく、柏も自信を深めたのだ。

ペトロヴィッチ監督が「前半はいいゲームができたが、後半は泥臭く戦う展開になった。選手たちは厳しい状況でも2-1のリードを守り切ろうと最後までしっかり戦ってくれた」と語れば、ネルシーニョ監督も「今日の結果は来週にも影響すると思って、この試合に臨んだ。スコア的には負けたが、大きな自信を掴んだと思っている」とキッパリ。浦和は試合開始5分、11分と柏木陽介が決定機に立て続けにゴールを奪った上、後半に相手へ流れが傾いた中、守り切ったという自信を得た。柏は後半には浦和のテンポのいいパスワークを寸断し、シュートゼロに押さえ込み、相手と同じシステムの3-4-2-1が効果的だと確信した。

では、『ナビスコ杯』決勝では、どう戦うのか? 直接対決後の指揮官は、今週のゲームについても言及した。「守り切ったことはポジティブなことだが、3点目、4点目を取れるだけのスペースは十分あった。相手がリスクを負ってスペースを空けてくるなら、我々はしっかりとそこを突いて得点しないといけない」(ペトロヴィッチ監督)。「3バックの1人は足元の技術がしっかりしていて攻撃に出られる選手が必要。それからウィングバックが2人ともアグレッシブに勝負を仕掛け、守備で負けない。このシステムをさらに高めていきたい」(ネルシーニョ監督)。J1リーグ戦第30節を経て、両監督はさらに戦術を高め、必勝を期す。

10月27日のピッチに立っていない選手も、勝利のキーマンになる。浦和レッズのFW・興梠慎三、DF・森脇良太は、リーグ戦で出場停止だった。柏木とのホットラインを誇る興梠は、相手DFの裏のスペースを虎視眈々と狙う。また、森脇は、最終ラインからのパスの組み立てを構築する。30節では柏のハイプレッシャーに、3バックとボランチのパスを狙われ、シュートまで持ち込まれるシーンもあったが、同じ轍は踏まない。

『ナビスコ杯』決勝では柏のボランチ・大谷秀和、左サイド・橋本和が出場停止となるが、キングと称されるレアンドロ・ドミンゲスが戦線復帰を見据える。2011年JリーグMVPは8月に左股関節内転筋を痛め、9月には手術を受けた。『ナビスコ杯』準決勝突破を決めると、ファイナルに照準を合わせてきた。10月29日には、柏U-18との練習試合に出場し、早速1アシストをマークした。キング復活の報せは追い風となる。

浦和の10年ぶりの優勝か、柏の14年ぶりの戴冠か。『ナビスコ杯』決勝は11月2日(土)13:05・国立競技場でキックオフ。チケットは予定枚数終了。フジテレビ系列にて全国生中継。

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