工藤真由『ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪』(『スイートプリキュア♪』OP)

シリーズ8作目となる『スイートプリキュア♪』は、"音楽"と"友情"をメインテーマに据えたプリキュアで、その作品性に沿うように主題歌やキャラクターソングアルバムも大充実の出来に。

当初は敵側の幹部だったセイレーンが、物語の中盤から味方となり変身するキュアビートと、シリーズ初の"小学生プリキュア"であるキュアミューズという2人の追加戦士の登場に加え、単純な「善」と「悪」の二元論では割り切れない世界観など、様々な仕掛けが施された物語を素晴らしい歌の数々が盛り上げてくれました。

中でも、工藤真由さんが歌うオープニング主題歌『ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪』は、その華麗なメロディと感動的なサビパートの美しさでファンの印象に強い印象を残したナンバー。

ポップでありながら、適度にロックなアタック感も残したバンドサウンドが抜群にカッコ良く、間奏では、短いながらも歪みを効かせたギターソロも。

音楽と人が紡ぐ繋がりに向けた賛歌な歌詞も胸に強く響くものがあり、全編に渡って涙腺を刺激するようなエモーションに満ちたナンバーとなっています。

吉田仁美『この空の向こう』(『ドキドキ! プリキュア』ED)

突如として"テクノポップ"への急接近を果たし、ファンを驚愕させた楽曲が『ドキドキプリキュア!』の前期エンディング曲として使用された『この空の向こう』です。

歌唱は、各シリーズの主題歌や名曲『プリキュアたいそう』でファンにはお馴染みの吉田仁美さんが担当しており、曲調に合わせた可愛らしい歌声を聴かせてくれます。

ピコピコした装飾音とキラキラと輝くメロディを主軸にしたスタンダードなテクノポップナンバーで、これまでのプリキュア主題歌になかった実験的なアプローチの楽曲なれど、とことんキャッチーな歌とサウンドは、一瞬にしてファンのハートを掴みました。

作曲を担当しているのは、テクノポップ、ニューウェーヴバンド「MOTOCOMPO」のメンバーであるDr.Usuiさん。アニメ専門ではないコンポーザーの起用も当時のシリーズとしては画期的で、プリキュアという作品に新風を吹き込んだ1曲といえるでしょう。

同じく、Dr.Usui氏の作曲による後期エンディング曲『ラブリンク』も良質なテクノポップソングとして大推薦です。

吉田仁美『プリキュア・メモリ』(『ハピネスチャージプリキュア!』ED)

シリーズ放送開始10周年を記念のメモリアル作として制作された『ハピネスチャージプリキュア!』。各エピソードの冒頭に歴代プリキュアがゲスト出演しお祝いコメントを送る粋な演出も話題を呼んだ作品です。

前期エンディング曲として使用された『プリキュア・メモリ』にも、歌詞の中に歴代シリーズのタイトルが散りばめられいるという記念作に相応しい楽しい仕掛けが施されています。

こちらの楽曲も編曲をDr.Usuiさんが、歌唱を吉田仁美さんが担当しており、電子音をメインにしたポップで明るい音作りと歌がチャームポイントに。

遊び心と思い出が一杯に詰まったリリックと、楽しいサウンド。"プリキュア"というシリーズの10周年を祝うに相応しいギミックに心が躍るチャーミングな1曲です。