西谷弘監督

福山雅治が天才物理学者・湯川学に扮するドラマ『ガリレオ』シリーズの映画版第2弾『真夏の方程式』のBlu-ray&DVDが、12月25日(水)にリリースされる。2013年上半期邦画実写興行収入No.1を叩き出した本作で、前作『容疑者Xの献身』に引き続き演出を手掛けた西谷弘監督を直撃した。

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シリーズ史上最も切ない「謎」に挑む本作。手つかずの美しい海が残る波璃ケ浦で海底鉱物資源の開発計画説明会に招聘された湯川は、滞在した旅館でひとりの少年と出会う。翌朝、岩場で男性の変死体が発見されるが、男は旅館の宿泊客で、元刑事だった。次第に明らかとなる事件と因縁。やがて湯川は哀しき真相にたどり着いてしまう――。

原作はいわずと知れた東野圭吾氏の同名小説。「これまでの『ガリレオ』シリーズとはちょっと異なる物語に興味を覚えた」という西谷監督。「大人がスポイルしてしまった子供、人間がスポイルしてしまった環境、それらを守ることについて描かれていた」と分析し、「震災後の原発問題などを経たことも、この原作を選んだ大きな要素のひとつ」と述懐。本来、子供嫌いの湯川と少年との交流も「新鮮だった」と挙げた。

湯川を演じる福山については「今回は5年ぶりとはいえ、一度自転車に乗れたら一生乗れるのと一緒で、もう出来上がっていた」と信頼を寄せ、同時に役者としての成長を称える。「福山さんとは『ガリレオ』(07)以前に『美女か野獣』(03)でも仕事をしていた。『ガリレオ』で福山さんも久しぶりに俳優業をやるにあたって、緊張もあったと思う。リハーサルもかなりやったし、セリフのスピードや歩幅に至るまで、事細かに湯川を作り上げました」と語り、「本作では、大河ドラマ『龍馬伝』や是枝裕和監督の『そして父になる』を経験してきて、自信をつけていたし、自分自身の見せ所が身体でわかってきていると感じました」とコメント。

さて、今回のDVD&Bru-rayには特典映像として舞台あいさつ集なども含まれるが、監督に舞台あいさつ時のことを訊ねると、「お客さんは99%、いや100%、福山さんを見に来ているので、僕がしゃべる時間はできるだけ短くしようと考えていました。あと、レッドカーペットを歩くときなんかも、福山さんの写真を撮るときに、自分がかぶらないように心掛けていました(笑)」と語っていた。

『真夏の方程式』
DVD&Bru-ray 12月25日(水)発売

取材・文・写真:望月ふみ