五反田に、イタリア語で〈豚野郎〉を意味する「ぽるこ」というイタリアンがある。

屋号通り、豚肉を中心とする旨くてボリュームがある料理を食わせてくれる。

長年、本店だけだったが、肉好きが押し寄せ手狭になってきたことから、昨年10月、西五反田に「にしぽるこ」をオープンさせた。

パスタやデカ肉定食と名付けた日替わりランチも人気だが、豚野郎が本領を発揮するのはディナーである。五反田という場所柄、懐具合を気にしなければオーダーできない料理はほとんどない。

以前、本店でマンガリッツァ豚のローストを食べたことがある。ハンガリーの秘宝と呼ばれるマンガリッツァは、高級レストランでないとまず扱えない。ところが、「ぽるこ」では厚切りカットの、まるでステーキのようなスタイルで供しているのには驚いたものだ。しかも1枚3,400円。

お高く止まった店で料理をシェアをしようものなら、あまりいい顔はされないが、この店ではシェア大歓迎。3人でマンガリッツァを平らげた。

「にしぽるこ」でもハンガリーの秘宝を用意している。

肉こそ活力の素。ご先祖様も、肉を食らって力をつけてきたに違いない。そんな思いもあってか、「すね肉のコンフィ ギャートルズ風」という料理もある。

岩中豚のすね肉を、低温のラードで3時間ゆっくりとコンフィ。さらにローズマリーとニンニクを入れ、片面をソテーしてはオーブンで焼き、もう片面をソテー後、再びオーブンに戻す。最後に白ワインでフランベ。

 

 

骨付きすね肉をそのまま調理した、ギャートルズ好みの、豪快な一品。

ナイフとフォークで骨を外しても、まだかなり食べでがある。体育会系の男性ならばひとり一皿かもしれないが、3人でシェアしても十分満足できるはずだ。

最後に骨が残る。肉は骨に近いほど旨い。ゼラチン質の肉が骨にこびりついているので、今宵はギャートルズになった気分で、手づかみで喰らってしまおう。

数名で順番にかぶりついてもいいが、ジャンケンで決めるのがスマート。

この料理には豆料理が付いている。イタリア人は大の豆好きで、つけあわせに豆料理を出す店が多い。トスカーナで修業した経験があるオーナーのアイデアで、白インゲン豆を煮たイチェレットというトスカーナ料理が添えられている。

手間暇をかけたこの料理は、いくら五反田とはいえ、高そうだ。ところが、これで1,800円。

芝浦屠場にオーナーの知人がいる関係で、肉屋に卸す価格で仕入れている。おかげで廉価で肉料理を提供できるというのだ。

「すね肉のコンフィ ギャートルズ風」には白ワインがあいそうだが、赤もよさそうだ。そのワインも一合売り(2杯分)で600円〜。料理が安い分、ワインで贅沢をしようという向きは相談されたし。

肉フェチが歓喜する、豪快な料理もあるが、前菜的な肉料理もメニューに掲げている。

たとえば、「トンビ」。

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