ノーマネーの猫、マネーの虎・加藤和也社長に電話取材!

加藤和也社長(提供:株式会社ひばりプロダクション)

ここで、実際に番組出演した際の様子を立花さんに聞いてみた。

「午前中にテレビ局に呼ばれて、実際に収録が始まったのが16時くらいだったかな。ものすごい緊張感の中で5時間待ち。それで、一発本番。2時間半くらいずっとしゃべり続けるんですよ」

極度の緊張感の中でも彼はひるむことなく、自らの夢を語り続けた。理想のサービスを語る彼に、並み居る虎たちは半ば呆れ気味の表情を浮かべた。「それじゃあ、商売は成り立たない」「立場が変われば人は変わる」、厳しい言葉が次々に浴びせられた。

そんな中、ひとりの虎の言葉がその場の重苦しい空気を断ち切った。

俺、出してもいいかな、この人なら―。
発言の主は加藤和也社長(当時31歳)。彼だけが唯一立花氏を見出したのだ。

加藤社長は44歳無職の男のどこに980万円の価値を見たのだろうか?
お忙しい中、「電話取材ならOK!」と快く取材に協力してくれた加藤社長。

―「マネーの虎」に立花氏が出演された時のことを覚えていますか?

「もちろん、覚えてますよ。“マネーの虎”の話は今でもいろんな方からされますね。その度に立花さんの話になるんですよ。今や4店舗のオーナーでしたよね。僕も鼻が高い思いで(笑)。

立花さんへの投資は、開始5分で決めてました。飲食サービスでの経験値も高い人だし、何より話し方から『実直さ』が伝わってきました。この人はチャンスがあればできる方、そう思いましたね。」

立花氏にはサービス業一筋で培った大きな実績と経験があった。ファミリーレストランでの接客サービスを10年、一流ホテルでの経験を10年。さらに、起業や業務拡大をサポートした経験も含めればその経験は30年にわたる。

しかし、立花氏の周りにはコストを抑えてとにかく利益追求に重きをおくオーナーしかおらず、お客様のことを本当に考えている人はいなかったという。常に自らの店を持つという目的があった立花氏は、「利益」ではなく「お客様」への思いを熱く語り、その思いが、加藤社長に投資を決意させたのだ。

「マイナスの言葉を吐くことをやめると夢は叶う」と立花氏

「実際、僕は何もしてないんですよ。すべて一人でできる方でしたからね。“ラ・パットーラ”さんがここまで大きくなったのはやはり立花さんの企業努力の賜物。立花さんには5店舗、6店舗と頑張ってほしいですね。」

980万円を投資して、一切口出しをせずに立花氏を信頼して任せた加藤社長。彼との出会いがなければ、今の「ラ・パットーラ」は存在しえなかったであろう。

ちなみに、投資金はすべて完済。当時、加藤氏は「俺を銀行だと思え」と言い、それ以上の口出しは一切しなかったという。

 

取材を終えて

温かい手書きのメニュー
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あれから11年。あの日、立花氏が虎たちに語ったサービス理念に変わりはない。

一方で、お客様のニーズも時代の流れの中で少しずつ変化していく。現在、「ラ・パットーラ」では料理メニューのフルモデルチェンジを検討中とのこと。メニューのリニューアルチェンジが今から楽しみだ。

「来年あたり5号店出そうかな。もちろん湘南周辺だよ。スタッフの顔と名前がちゃんとわかってさ、『元気~?』って店に顔を出してさ。そういうのって楽しいでしょ? やっぱり楽しい方がいいよね」。

彼が作りあげた「世界一のレストラン」は、その信念や想いはそのままに、まだまだこれからも進化し続けることだろう。


LA・PA. TTOLA(ラ・パットーラ)
住所/ 神奈川県茅ヶ崎市共恵1-7-2 グレイスビル1F
電話/ 0467-87-2456
営業時間/ 11:00~23:00

  

※本記事は2013年10月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

 
 

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