容姿とか、癖とかが自分と重なる

撮影/河井彩美

――それぞれに演じた役柄について伺いたいのですが、先ほど、櫻井さんは自分で作った“滝沢和真像”があるとおっしゃっていましたね。

櫻井:原作と台本を読んだ感想から、まずは自分が和真をどう演じたいのかを考えました。和真は自分と似ている部分もたくさんあったので、そこを上手く使いながら、自分の中で一つ、和真像を作り上げました。それを監督の和真像と合わせていくという感じだったので、監督とはたくさんコミュニケーションを取らせていただきました。

僕としてはこのドラマを通して、真っ直ぐな滝沢和真を伝えたいと思っていて。人が生きていく中で、絶対に叶わないと思うような出来事や、どん底に落ちるようなことはあると思うんですけど、和真はそんなときでもくじけずに真っ直ぐ前を向けるんです。

ずっと蓮を追い続けてきたからこそ、不可能に思えたことも上手くいく。そういう部分がドラマを観てくださる方々にメッセージとして伝わればいいなと思っていました。なので、そこが一番伝わりやすい滝沢和真は?と考えながら、作っていきました。

その上で監督からは、日常というか、僕らが普段会話をしているような雰囲気を大事にしてほしいと言われて。お芝居をすることも大事だけど、僕らがもともと持っている日常感も大事だと。だから、なるべく僕自身が持っているものも出していくというか、僕が和真の立場だったらどうするだろう?と考えて作った部分もありました。

撮影/河井彩美

――髙松さんは蓮をどのように捉えていきましたか。

髙松:最初に蓮のキャラクターの設定を見たときに、インドアで、走るのが嫌いで、休みの日は家でずっと映画を観ているとなっていて……。ホントに僕と真逆なんです(笑)。僕は外で遊びたいし、走りたいし、休みの日も動き回っているタイプだし。

友達にもいないタイプだからどうしようと思って、とにかく原作を何度も読みました。原作から感じるしかないと思って、時間があれば何回も読み直しました。あとは監督と話す中で深めていきました。

――監督との話の中でヒントになったことはありましたか。

髙松:監督が直々に書いた役の設定を僕らにくださったんです。何歳のときに何があってなど、とても細かいところまで書いたものを。

櫻井:生い立ちから全部書いてくれたんだよね。

髙松:それがヒントというか、自分と蓮を近づけてくれました。物語の中では描かれていない、実はこうだったということが。

櫻井:「もしかしたらこうなのかもしれない」とかね。

撮影/河井彩美

――櫻井さんは、和真と似ている部分があるとおっしゃいましたが、具体的に言うとどんなところですか。

櫻井:このセリフは自分も日常で言ってそうだなっていう言葉があったり、身長とか、骨格も似ているんだろうなってことだったり。容姿とか、癖とかが自分と重なるのかなと思ったので、あとは感情を作るだけで良かったから、(役に)入りやすかったです。

――感情的に、ここは自分とは正反対だと思うところはありましたか。

櫻井:僕は普段あまり怒らないんですけど、蓮を傷つけた相手に対して怒鳴るシーンがあったんです。プライベートでは基本的になんでも許せちゃうので、怒鳴ってみたら不思議な気分になりました。怒ってごめんねっていう気持ちも出てきちゃいました(笑)。

――髙松さんは蓮とは正反対とおっしゃいましたが、それでもこの気持ちはわかるなというようなところはありましたか。

髙松:心を開いた人に対しては甘えるところは似ているなと思いました。そういう人に対しての想いが強くて、離したくないという気持ちになるのもわかりました。僕も仲良くなった人とはずっとつながっていたいと思うので、友達想いのところは似てるのかなって。