桐谷美玲

映画『あさひるばん』の“完成披露宴”と銘打った舞台あいさつに、ヒロインの桐谷美玲がウェディングドレス姿で来場。國村隼、板尾創路、山寺宏一も花嫁の父としてタキシードで登場し、やまさき十三監督と共に映画の完成を祝った。

舞台あいさつの模様

「釣りバカ日誌」の原作者として知られるやまさき監督の72歳にして初監督作となる本作。高校野球部の同級生だった3人組がかつて憧れたマドンナが病床にあると聞いて30年を経て再集結。2日後に結婚式を控えた彼女の一人娘のために、元野球部監督で現在は絶縁状態にあるマドンナの父親を式に出席させるべく奔走するのだが…。

國村を傍らに、後ろに板尾、山寺と3人の“花嫁の父親”を従えて純白のウェディングドレス姿で桐谷が姿を現すと、その美しさに客席からはため息が漏れた。劇中、國村らは我こそが桐谷演じる有三子の父親であると主張するが、この日は娘の花嫁姿にうれしいやら寂しいやら…? 國村は「似合いますなぁ。ホントの娘だったらいいのに」とニッコリ。板尾は「こんなに似合うと判ってましたが、実物を見ると似合いすぎてて言葉が出ない」とデレデレ。子どもがいない山寺も「美玲ちゃんが娘だったら絶対にお嫁に出したくない!」とすっかりパパ気取りで笑いを誘っていた。

当の桐谷は「ドキドキしますがうれしいです」と満面の笑み。その瞬間を逃すまいと最前列に陣取るカメラマンが一斉にシャッターを切るが、その様子を「本当に結婚会見みたいで新鮮ですね(笑)」と楽しそうに眺める。興に乗った板尾が「ご予定は?」と尋ねると「まだないですが26歳から28歳と占いでは言われています」と告白し、しっかりと結婚願望をアピールしていた。

この日は主題歌「どんまい」を歌う「米米CLUB」のカールスモーキー石井をはじめとするメンバーもお祝いに駆けつけ、“米米”と掛けて客席に祝福のライスシャワーを振らせた。石井は映画について「僕らの世代は“正月映画”という言い方をしてましたが寅さん(=『男はつらいよ』シリーズ)や『釣りバカ日誌』といった作品がなくなって寂しい。この映画がそういう作品の代わりとなってくれたらうれしいです」と新たなプログラムピクチャーとしての役割に期待を寄せる。

かつて、助監督として修業を積んだ経験を持つやまさき監督は、それから40年を経て自らの手で映画を完成させ「タイムラグはありましたが、俳優部のみなさん、スタッフのおかげで40年の思いのこもったホットな作品になったと自負しています」と自信をのぞかせ、会場は温かい拍手に包まれた。

『あさひるばん』
11月29日(金)ロードショー