設立30周年を迎えた小泉成器の田中裕二社長

2016年にグループ創業300周年を迎えた小泉成器にとって、今年は設立30周年の節目の年。毎年東京で開催する総合展示会「LIFE SOLUTION」の名称を「LIFE CREATION」に変える。田中裕二社長に、意気込みを聞いた。

小泉成器の総合展示会「LIFE CREATION 2018」は6月6日と7日の2日間、東京ドームシティのプリズムホールで開催する。来店客数は約1500人、展示メーカー数は60~70社を見込む。

約2500アイテムの展示製品数のうち、約25%を占める400~500アイテムが新製品ということからも、このフェアは同社の経営戦略上も重要な位置づけになっている。企画から運営を自社で担い、商品担当と販促企画の社員が昨年12月から約半年をかけて内容を練る力の入れようだ。

フェアの名称を「LIFE CREATION」に変えた理由について、田中社長は次のように語る。「これまで当社が支持されてきたのは、お客様の課題解決となるSOLUTIONを提供してきたからだと自負している。30周年をきっかけに、さらにその先にある、お客様の新しい生活を創造していきたいという思いを込めた」。

小泉成器のフェアは、製品をジャンルやコマごとに分ける通常の展示手法とは異なり、製品を群で展示したり、製品によって消費者の暮らしがどのように変わるのかといったコト軸による独自の手法で知られる。実際の展示デモが、そのまま売り場づくりに反映できるというのも特徴的だ。

今年のテーマは「ユメ」・「トキ」・「タメ」・「ヒト」

「CREATION」に名称変更するにあたって、「くらしの新・発・想」というテーマを設定。同時に、顧客の幸せを実現するための4つの要素として「ユメ」「トキ」「タメ」「ヒト」というキーワードを掲げ、社会動向や消費行動、業界動向の変化に合わせた展示を目指す。

「ユメ」には、顧客の夢や目標を実現するための努力や成長を後押しするテーマで展示したり、「トキ」には、今そこでしか楽しめないひとときや瞬間を、体験を通じて提案する意味を込めた。「タメ」は、自分だけではなく家族や身近な人など、誰かのためになる行動を後押しする切り口から製品を紹介したり、逆に「ヒト」では、SNSやインスタグラムのような自己承認行動につながる提案をする。

田中社長は具体的なわかりやすい一例として、女性の髪をまっすぐにするストレートアイロンを挙げる。ストレートアイロンというモノを、コト軸で訴求すると「髪の毛をまっすぐにする」というコトを絡めた提案となる。

しかし「CREATION」は、コトからさらに踏み込んで、実際の顧客が幸せを実現した事例を紹介する。くせ毛に悩んでいた女性が、ストレートアイロンを使ったら自分に自信がつき、日常生活で笑顔が増えたという。さらに笑顔が増えたことで、付き合っていた彼からプロポーズされ、結婚するにまで至ったというのだ。

単に製品のモノを紹介するのでも、コトを提案するのでもなく、消費者の真のニーズに焦点をあてた新しい取り組みがちりばめられた展示会の内容は、実際のユーザーのエピソードを聞くだけでも、今から楽しみだ。