99周年ラスト、宝塚雪組が周防正行の名画を舞台化

2013.11.13 18:5配信
宝塚歌劇雪組公演『Shall we ダンス?』 宝塚歌劇雪組公演『Shall we ダンス?』 撮影:三上富之

宝塚歌劇雪組公演『Shall we ダンス?』『CONGRATULATIONS 宝塚!!』が、11月8日、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。周防正行監督による大ヒット映画を原作としたライトなコメディとエネルギッシュでパワフルなショーは、創立99周年のラストを飾るにぴったりの雰囲気だ。

宝塚歌劇雪組公演『Shall we ダンス?』のチケット情報

『Shall we ダンス?』は、社交ダンス教室を舞台に繰り広げられる、ハートフル・コメディ。映画の日本版をもとに、ミュージカル版では舞台をイギリスのとある街に変えて上演している。平凡な家庭を築き、今の生活に何の不満もないはずのサラリーマン、ヘイリー・ハーツ。いつの頃からか、この平凡な日常を変える何かがどこかにあるのでは、と考えるようになっていた。そして、ダンス教室の窓辺に佇む美しい女性に惹かれ、社交ダンスの世界に足を踏み入れる……。

男役トップスターは誰よりも輝き、光を浴びて注目を集める存在だが、本作の主役は個性も何もない平凡なサラリーマン。壮一帆(そう・かずほ)は、平凡なキャラクターだけに抑え気味に丁寧に演じながら、いつしか自分の生活に輝きを取り戻していく様をナチュラルに表現している。ヘイリーが惹かれるダンス教室の美人教師エラを演じるのは、男役2番手の早霧(さぎり)せいな。競技ダンス会でミスしたトラウマを持つ、どこか影のある女性は、華奢で儚げな早霧の雰囲気ともぴったり。幕開きやラストのシーンでヘイリーとエラが組んで踊る美しさは宝塚版ならではの雰囲気だろう。

また、ふたりが落ち着いた演技で見せるのに対し、ダンス教室の生徒たちは個性的でインパクトのあるキャラクターばかり。特に夢乃聖夏(ゆめの・せいか)は、ドニー役で新たな魅力を開花。常に身体をクネらせたコミカルな動きで客席の笑いを誘う、目を引く存在だ。ヘイリーたちの一生懸命な姿がエラの気持ちを変えるように、下手でも純粋に何かに取り組むことは格好悪いことではない。作品の持つ本質や温かさを守りながら、宝塚歌劇らしくショーアップさせたステージが楽しめる。

第二部のショー『CONGRATULATIONS 宝塚!!』は、雪組全員で白いコートを翻しながら踊るプロローグからフィナーレまでノンストップ! 宝塚大劇場99周年のラスト、そして東京公演では100周年の幕開きを担うだけに、常に“おめでとう!”という祝祭ムードが満開だ。娘役のキュートなフレンチカンカンや、タキシード姿の男役が格好よさを競うように踊る場面、壮のとびきり華やかな女役や客席降りなど、観る側も力が入る、見ごたえたっぷりのショーに仕上がっている。

兵庫公演は12月12日(木)まで上演中。また、2014年1月2日(木) ~ 2月9日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは12月1日(日)より一般発売開始。

取材・文:黒石悦子

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