NHK「みんなのうた」のイメージ画などで知られ、“風の画家”と呼ばれる中島潔の展覧会「“今”を生きる-そして伝えたいこと 京都六道珍皇寺“心音図”奉納記念」が3月17日(土)より5月20日(日)まで、大阪文化館・天保山にて開催される。それに先立ち、3月16日(金)に開会式が行われ、中島潔が来場した。

「中島潔展 “今”を生きる -そして伝えたいこと 京都六道珍皇寺“心音図”奉納記念」チケット情報

開会式で挨拶に立った中島は、「大阪に来るのも久しぶりですし、大阪の皆さまに見てもらう機会をいただけて興奮しています。この展覧会のメインは「心音図」です。今まで、故郷や女性の絵を描いてまいりましたが、70歳になりまして、東日本大震災が起こって、色々なニュースを見聞きするうちにふと思ったんです。どうして悪いことをするんだろうか、と。そこで、私もそんなに残された人生が長くもないですから、最後に私が唯一描かなかった世界、地獄を描いてみようと思いました。地獄絵は決して怖いだけの絵ではなくて、実は、天国も地獄もどちらも大切なんです。両方の心を私たち人間は持っているんです。その証拠にどちらも作ったのは仏様なんです。だから地獄にも優しさや親しみを感じるんです。皆さん、地獄に行きたいとは思わないと思いますが、地獄の絵を見つめることで、今自分がどういう状況にあるのか理解できるんです。ですから、一緒にご覧になる方と絵を見た後で色々な話をして、楽しんでください」と語った。

内覧会では3年の歳月をかけて完成させた、平成の地獄絵とも言うべき5点の「地獄心音図」の前でギャラリートークが行われた。中島は、「東日本大震災が起こった後、苦しんでいる人をさらに苦しめる人がいることに腹が立ったんです。そこで「悪いことをすればお天道様が見ていますよ」という母親の言葉がよみがえってきたんです。悪いことをすれば、ただじゃすまない、それが地獄絵を描くきっかけでした」と話していた。その後5点の絵に描かれている8つの地獄について「これは右の絵からどんどんひどくなって、最後は蟻地獄、無限地獄です。でもそこには菩薩が描かれているんです。悪いことをしても反省して心を入れ替えれば救われるんです。地獄の絵を見てぜひ自分自身を見つめ直していただきたいです」と語った。

本展覧会では、「地獄心音図」を含む連作「心音図」以外にも、初期の作品や「新しい風」と題した四季折々の風景を描いた連作、そして大阪をテーマにした最新作「こいさん」なども展示されている。

『中島潔展“今”を生きる-そして伝えたいこと 京都六道珍皇寺“心音図”奉納記念』は5月20日(日)まで開催中。

取材・文:華崎陽子

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます