(左から)大森立嗣監督、坂井真紀、井浦新

直木賞作家・角田光代の短編小説集を映像化したWOWOWドラマW「かなたの子」の完成披露試写会が19日、都内で行われ、主演を務める坂井真紀、共演の井浦新、大森立嗣監督が舞台あいさつに立った。1泊2日の富士登山ツアーに偶然集った参加者たちが、暗い過去や罪の意識と向き合いながら、山道を一歩一歩進んでいく姿を描く。世界遺産登録後、富士山でのテレビドラマ撮影はこれが初めてとなる。

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撮影は4つある登山ルートのうち、頂上までの標高差が最大で最も過酷とされる御殿場ルートで敢行。目まぐるしく天候が変わる環境に、坂井は「本当に自然は怖いなと思いました。ものすごい風で、何度も撮影が中断された。自分の身は、自分で守らなければいけない状況だった」とコメント。井浦も「強い風に体をもっていかれたら、転げ落ちていたはず。ロケ中『何の修行をしているのか』って思いましたが(笑)、おかげで御殿場ルートは詳しくなった」と振り返った。

『さよなら渓谷』が高く評価された大森監督は「原作を読んで、また重たい話だなと思いました。短編集なので、なかなか手ごわい作品だなと。登場人物たちの罪のつぐないを最後まで見届けてもらえれば」とアピール。出演者は「監督の作品が大好きだったので、一緒にお仕事できてうれしい。役者やスタッフを信頼してくれる監督」(坂井)、「役者の芝居をカメラの横で見届けてくれ、内側にまで手を突っ込んでくる監督。まるで指揮者のように、気持ち良く操ってくれる」(井浦)と大森監督について話していた。

WOWOW連続ドラマW「かなたの子」(全4話)
12月1日(日)夜10時スタート(初回は無料放送)