実売3万円前後でコストパフォーマンスの高い「AQUOS sense」

2017年の「BCNランキング」で、国内Androidスマートフォンの市場シェアトップ(20.6%)に躍り出たシャープ。これまで各キャリアごとに別々の機種を提供していたが、昨年夏モデルでは大手3キャリア向けのフラッグシップモデルを「AQUOS R」に統一。ディスプレイやカメラ性能など、モバイル端末としての本質的な性能の向上に注力したことも市場から評価され、17年7月の発売から9か月で出荷台数は100万台を突破する見込みだという。

しかし、シャープ躍進の要因としては、高級機のAQUOS Rだけでなく、普及価格帯のスタンダードモデルである「AQUOS sense」シリーズの動きも見逃せない。昨年11月にauとNTTドコモ、そしてUQモバイル向けに発売され、さらにほぼ共通仕様のSIMフリー機「AQUOS sense lite」がMVNO各社や家電量販店を通じて販売された。また、ソフトバンク向けにも法人向け端末の「AQUOS sense basic」として提供されている。

シャープで国内のスマートフォン事業を統括するパーソナル通信事業部の小林繁事業部長によると、これらAQUOS senseシリーズ全体の出荷台数も、発売半年足らずで100万台突破が確実になったという。ハイエンドモデルで、スマートフォンとしての「AQUOS」ブランドの認知と価値を高めつつ、実売3万円前後でコストパフォーマンスの高いモデルを用意することで、AQUOSユーザーの裾野を広げることに成功した。

小林事業部長によると、AQUOS senseシリーズを大手キャリアからMVNO、SIMフリーまで水平展開したことで、100万台という実数以上のマーケティング的な効果を得ることができたという。

「SIMフリー端末をやってみて発見だったのは、話題が継続するという点ですね。MVNOユーザーやSIMフリー端末ユーザーの方々は非常に情報発信力が高く、AQUOSをネット上で大きく話題にしていただいています。とくに昨年秋以降は、まずAQUOS senseがあり、その後AQUOS sense liteが出て、MVNO各社様向けにカラーバリエーションが順次追加されていきましたので、その度にTwitterなどで盛り上がりました。話題継続性というメリットは大きかったと考えています」(小林事業部長)

ただ、小林事業部長は「メディア等では、一時期のような『SIMフリー市場が爆発的に成長している』という論調は抑えめになってきましたが、私もそう思っています」とも述べており、同社の事業において、大手キャリア向け端末とSIMフリー端末の比率が急激に変化するといった動きにはつながらない見通しだ。(BCN・日高 彰)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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