Wi-Fiモデルは11月12日、Cellularモデルは11月14日に発売した「iPad mini Retinaディスプレイモデル」

iPadには、主に自宅やオフィスなどの室内で使うWi-Fiモデルと、通信機能を備え、場所を選ばず単体でインターネットに接続できるWi-Fi + Cellularモデルの2タイプがある。Cellularモデルは、高速通信規格のLTEに対応した2012年11月発売の「第4世代iPad/iPad mini」以降、国内ではソフトバンクモバイルとKDDI(au)が取り扱っている。

オリジナルの9.7インチのiPadとしては5世代目となる新製品「iPad Air」の発売に合わせ、ソフトバンクモバイルは、iPad向けに「タブレットセット割」を開始し、実施中の「スマホ下取り割」の対象機種を拡大した。auも「下取りプログラム」の対象機種にiPadを追加し、下取りサービスを拡充した。両社の下取りサービスの共通点は、自社のCellularモデルだけではなく、Wi-Fiモデルも対象に含めていること。新しいiPadの発売を機に、Wi-FiモデルからCellularモデルへの買い替えを検討しているなら、この下取りサービスの存在は大きい。

●スマートフォンとセット利用で、最大2年間、パケット定額料月1050円でiPadが使える!

ソフトバンクモバイルの「タブレットセット割」は、同一名義でiPhoneなど、対象のスマートフォンとiPadのCellularモデルを契約すると、最大2年間、iPad側のパケット定額料が月額1050円となり、従来のスマートフォンとのセット割引(フラット型定額プラン選択時)適用時よりも少ない負担でiPadを利用できるキャンペーン。KDDIも同様に、スマートフォンとセットで利用すると、iPad側のパケット定額料が月額1050円となるキャンペーンを実施している。月間データ容量の上限も同じで、2014年5月までは7GB、6月以降は2GBになる予定だが、当面はスマートフォンとiPadのそれぞれで7GBまで利用できるので、月7GBまで使い放題できる通常のフラット型データ定額プランと変わらない。

例えば、ソフトバンクモバイルまたはauのスマートフォンユーザーが、いま使っているキャリアと同じ「iPad mini Retinaディスプレイモデル」のCellularモデルの16GBを新規で購入する場合、前述のキャンペーン適用時の2年間のトータル費用(端末代+2年間の通信料金の合計)は8万8200円。端末代の実質負担額が高い「iPad Air」の64GBモデルの場合は、11万8440円になる。端末代の実質負担額、通信料金とも同額なので、キャリアによる差はない。

●下取り金額はソフトバンクのほうが高い Wi-Fiモデルなら差額は最大約1万

従来のスマートフォンとのセット割引やiPad単独での契約の場合でも、キャリアによる差はほとんどない。しかし、キャリアが実施するiPad向け下取りサービスを利用すると、一部を除いて下取り金額の高いソフトバンクモバイルのほうが結果として安くなる。

下取り対象機種は、iPadのWi-Fiモデルも含まれる。ソフトバンクモバイルの「スマホ下取り割」の場合、11月1~30日の下取り金額は、Wi-Fiモデルで1000~1万6000円、Cellularモデルで2000~2万7000円。ただし、毎月1000円ずつ直接利用料金から割り引くかたちで還元し、割引期間中に回線契約を解約した場合、割引は終了する。このためウェブサイトには、下取り金額ではなく、「下取りによる割引額」と記載されている。

一方、auの「下取りプログラム」の場合、同期間の下取り金額は、Wi-Fiモデルで5250~1万4700円、Cellularモデル(第4世代iPad、iPad miniのみ)で1万2000~1万8000円。Wi-Fiモデル/Cellularモデル(新規契約/機種変更)によって割引き方法が異なり、新規契約は、端末購入時に下取り金額分が値引きされる。機種変更はポイント付与となり、下取り価格に応じ、1ポイント1円相当で利用できるauポイントが進呈される。使い道が限られるポイントより、利用料金からの割引や端末代の値引きのほうが、ユーザーに対する直接的なメリットは大きい。

Wi-Fiモデルの場合、下取り金額は、初代iPad(すべて)とiPad 2の16GB・32GBを除き、auよりソフトバンクモバイルのほうが高い。例えば、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」のCellularモデルの16GBを購入する際、手持ちの「iPad mini」のWi-Fiモデルの16GBを下取りしてもらうと、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」の2年間のトータル費用(端末代+2年間の通信料金の合計)から下取り金額分を引いた金額は、ソフトバンクモバイル7万6200円(1万2000円引き)、au8万1900円(6300円引き)となり、5700円の差になる。端末代・通信料金に差はないので、下取り金額の差がそのままトータル費用の差に反映される。下取り金額は、機種によって異なり、最も差額が大きい「第4世代iPad」のWi-Fiモデルの16GBの場合、差額は1万600円にもなる。

なお、両キャリアとも、容量による下取り金額の差を小さく設定。auに至っては、第3世代以前のiPadのWi-Fiモデルは、一律5250円となる。キャリアが展開する下取りサービスは、通常の中古品の買取りとは異なり、既存ユーザーを囲い込む割引サービスの一環と捉えるのが正しいだろう。

●キャリア下取りのメリットは条件のゆるさ、ケースバイケースで賢く活用しよう

今回加わった新たなスマートフォンとのセット割引プランを選べば、これまでより少ない負担で「iPad Air」「iPad mini Retinaディスプレイモデル」のCellularモデルを利用できる。下取りサービスを利用すれば、さらに費用負担は少なくなる。端末代抜きで、スマートフォンの費用プラス月1000円程度ですむなら、Wi-FiモデルよりGPSを備えたCellularモデルのほうがいいと判断する人もいるだろう。

なお、機種や状態にもよるが、下取り価格は、キャリアの下取りサービスより、家電量販店の中古買取りサービスや中古買取り専門店のほうが高い。容量の違いも、下取り価格に反映される。そのかわり、キャリアの下取りサービスは条件がゆるく、外箱や付属品などを紛失した状態でも、端末本体が故障・水濡れ・破損がなく正常に動作すれば対象になるので、利用しやすいというメリットがある。ケースバイケースで賢く利用しよう。

※本記事で紹介したキャンペーン内容・料金などは、2013年11月19日時点のものです。最新情報は、各キャリアのウェブサイトでご確認ください。

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