『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語…』を手がけたジェフ・シンプソン監督(C)LIAR'S FILMS LTD 2012

伝説のユニット“モンティ・パイソン”の中心メンバー、グレアム・チャップマンの生涯を描く映画『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語~グレアム・チャップマン自伝~』が23日(土)から公開される。チャップマンは1989年にこの世を去ったが、彼が生前録音した肉声テープと自伝を基にアニメーションを駆使して描いた本格的な“自伝”映画だ。

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モンティ・パイソンは、英国の伝説的なコメディ・グループ。グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、エリック・アイドル、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン、テリー・ギリアムは1969年からテレビ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』をスタート。皮肉や不条理を盛り込んだスケッチの数々は圧倒的な人気を集め、続くクリエイターたちに大きな影響を与えた。チャップマンは医師の資格を持つ知的な人物でありながら、酒におぼれ、強烈で皮肉に満ちた笑いで世の中を騒がせながら波乱万丈の人生をおくった。

本作の製作にあたったのはビル・ジョーンズ 、ベン・ティムレット、ジェフ・シンプソンの3人。彼らはチャップマンの遺した音声と自伝だけを頼りに製作を開始する。シンプソン監督は「グレアムの朗読テープから映画に使える会話部分を抜き出した。何度も入れ替えていき、自然な流れになるように調整した」と振り返る。「その後、パイソンズのメンバーが自分の役はもちろん、別人の役も演じてくれた。映画の中で若いころのグレアムとジョンが対話するシーンがある。グレアムの録音から23年の隔たりがあるが、このあいだ録ったジョンのセリフと合わせてみると、見事にかみ合う。お互いのリズムも面白いタイミングも分かっていて、まるで今一緒に録音したみたいに生き生きして聞こえた。名コンビが復活したんだ」。

そこで彼らは、14社のアニメ制作会社に声をかけてビジュアルを制作。『空飛ぶモンティ・パイソン』でもコラージュを駆使したアニメーションが多くの人々を魅了したが、本作では様々なスタイルのアニメが次々に登場し、チャップマンの人生を描き出す。シンプソン監督は「この映画を作ったのは僕たち3人ではない。この映画を作ったのはグレアム・チャップマンだ」と主張する。「パイソンズの名演技と、優秀なアニメーターたちの目を見張るアニメを楽しんでほしい。でもこの作品に関して、誰よりも最高の仕事をしたのは、グレアム・チャップマンだよ」。

先ごろ、モンティ・パイソンが再結成され、英国で1日だけライヴを行うとのニュースが報道されたが、本作ではスクリーンの中で亡きグレアムを交えた“パイソンズ”の復活が楽しめそうだ。

『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語~グレアム・チャップマン自伝~』
11月23日(土) 新宿ピカデリー 2週間限定上映