パーヴォ・ヤルヴィ (c)Mark Lyons パーヴォ・ヤルヴィ (c)Mark Lyons

2006年に横浜みなとみらいホールで開催したベートーヴェン交響曲全曲演奏会が賞賛の嵐を呼んだパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団。あれから7年、欧州の楽壇を席巻する黄金コンビが、本邦初オペラ公演として、ベートーヴェン唯一のオペラ作品『フィデリオ』を同ホールで披露する。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団 歌劇『フィデリオ』の公演情報

パーヴォ・ヤルヴィといえば、現在世界で最も多忙を極める指揮者のひとりだ。パリ管弦楽団とhr交響楽団の音楽監督、ドイツ・カンマーフィルの芸術監督を兼任するほか、ベルリン・フィル、ウィーン・フィルなどの超一流オーケストラにも頻繁に客演を続けるなど、その活躍ぶりはまさに八面六臂。特にドイツ・カンマーフィルとライブ&録音でプロジェクトを展開しているベートーヴェンは「これこそ世界一のベートーヴェン」と各方面から絶賛されている。

この彼らが本邦初オペラに選んだのが、ベートーヴェン唯一のオペラ『フィデリオ』。横浜みなとみらいホールの開館15周年を記念して日独共同制作で行われる本プロジェクトは、去る9月のブレーメン音楽祭よりスタート。ヤルヴィが導く、鋭利かつ力強いある響き、内声部までくっきり見渡せる透明感あふれる演奏が、ベートーヴェンの「自由と人道の讃歌」を生き生きと描く。また、演奏会形式ではネックとなる芝居部分については、“語り”に替えることで、物語に奥行きを増した。「ベートーヴェンの偉大な音楽的“到達点”こそ『フィデリオ』なのだと確信している」と語るヤルヴィが満を持した“ベートーヴェン音楽の集大成”は、現地ブレーメンで熱い喝采に包まれた。同地に続いて、ボン・ベートーヴェン音楽祭でも成功を収めた本プロジェクトは、まもなく最終公演を飾る横浜でも喝采を呼ぶことだろう(日本では横浜だけの上演)。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団 歌劇『フィデリオ』(全2幕・コンサート形式)は、11月28日(木)、30日(土)に横浜みなとみらいホール 大ホールで開催。チケットは発売中。