『her(原題)』

『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』などを手がける鬼才スパイク・ジョーンズ監督が『かいじゅうたちのいるところ』以来4年ぶりに手がけるオリジナル新作映画『her(原題)』が、来年春に日本公開されることが決定した。本作では“声のみ”で出演したスカーレット・ヨハンソンが先ごろ開催されたローマ映画祭で最優秀女優賞を受賞している。

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数々の奇想天外なアイデアと確かな人物描写で熱狂的なファンを多くもつジョーンズ監督の最新作は異色ラブ・ストーリー。近未来のロサンゼルスで暮す手紙の代筆ライターの男セオドア・トゥオンブリー(ホアキン・フェニックス)が主人公だ。彼は長年連れ添った妻(ルーニー・マーラ)と別れて、気持ちを引きずっていたが、ある日、最新型人工知能“サマンサ”(声:スカーレット・ヨハンソン)に出会う。彼女に実態はなく、ただ画面の向こうから声が聞こえてくるだけだが、セオドアはサマンサに惹かれていく。

ローマ映画祭にはジョーンズ監督、フェニックス、マーラ、ヨハンソンが登壇したが、声のみで出演したヨハンソンが最優秀女優賞を受賞。声のみで出演している女優が同賞に輝くのは史上初のことでヨハンソンは「賞をいただけて本当に光栄です。直接受け取れたらよかったと思いながら“空からあなたを見守っている”という今回の私の役柄からいえば、これはこれで正しいかもしれないと思います。子どもの頃に触れた作品の“声の出演者たち”にもお礼を言います。体を持たないまま生き生きとした役を作り上げるのはとても特別な経験でした。ローマ映画祭の審査員の方々には、その評価とお耳に感謝を申し上げます。本当にどうもありがとう」と喜びのコメントを寄せている。

実態をもたない存在との恋を描くことで、テクノロジーが進化した現代社会が抱える問題と、人間の“誰かとつながっていたい”という欲望を描いた本作は、すでに評論家から高い評価を集めており、日本でも大きな話題を集めそうだ。

映画『her(原題)』は、アスミック・エースの配給で来年春に全国公開される。

『her(原題)』
2014年春 全国ロードショ―

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