配車・ライドシェアサービス「Uber」を提供する米ウーバーテクノロジーズは3月26日、東南アジアにおける同社の事業を、シンガポールに本社を置く同業のグラブに譲渡することを発表した。ウーバーは譲渡後、グラブ株の27.5%を取得するほか、ダラ・コスロシャヒCEOがグラブの役員に就任する。ウーバーは競争の激しい東南アジア市場において自社サービスの運営から撤退し、グラブへの出資による間接的な事業展開に切り替える。

対象となるのはシンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジアの8か国。Uberや、料理宅配サービス「Uber Eats」は、それぞれグラブが運営する「GrabTaxi」「GrabFood」などに統合される。4月8日までの2週間は移行期間として両社のアプリが併存するが、4月9日以降はグラブ側に一本化されるという。

グラブは2012年にマレーシアで創業し、タクシー配車サービスを開始。その後、東南アジア各国に進出し、個人間でのライドシェアや、荷物や料理の宅配、モバイル決済などにもサービス内容を拡大している。「東南アジア最大のO2O(オンライン to オフライン)モバイルプラットフォーム」となることを目指しており、現在は一部の国で提供している宅配や金融系のサービスを、今年中に東南アジア主要国すべてに広げる方針を掲げる。

グラブは14年以降、ソフトバンクグループから総額数千億円の資金調達を実施している。ソフトバンクグループは今年ウーバーの筆頭株主になっており、今回の事業譲渡はグループ内での競合事業の整理・集約という側面をもつ。ウーバーとグラブの消耗戦が終結することから、東南アジアにおける配車事業の収益性は改善するとみられる。

アジアでの配車サービスをめぐっては16年、ソフトバンクが大株主となっている中国の滴滴出行(Didi)がウーバーの中国事業を買収しており、東南アジアでも同様の形態で再編が行われた格好となる。(BCN・日高 彰)

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