毎年、映画ファンから支持されている映画祭、第14回東京フィルメックスが現在、開催されている。23日の開会式から多くの観客が足を運んでおり、平日もレイト上映のチケットを買い求める観客が増えているようだ。
東京フィルメックスは、“作品重視”のラインナップ作りで映画ファンから信頼されている映画祭で、今年もカンヌ、ベルリン、ベネチアの映画祭で高い評価を集める注目作が並び、日本映画の知られざる傑作に光をあてる活動や、世界的にも“レア”な傑作映画をスクリーンで楽しめる企画にも力を入れている。23日には『長江哀歌』でベネチア映画祭金獅子賞に輝いたジャ・ジャンクー監督の最新作『罪の手ざわり』が上映され、大きな盛り上がりを見せた。
来月1日(日)まで映画祭は東京の有楽町朝日ホールをメイン会場に行われており、今後も注目作が続々と上映される。今夜、上映される『ILO ILO(英題)』は、カンヌ映画祭でカメラ・ドール(最優秀新人監督賞)を受賞し、中国語圏最大の映画賞“台北金馬奨”では四冠に輝いた注目作だ。27日(水)には1964年に製作された日本映画『夜の片鱗』が登場。先ごろ、ベネチア映画祭のクラシック部門で上映され、監督を務めた中村登の名を広めた傑作だ。
また週末の30日(土)、12月1日(日)にはファンションデザイナーとして活躍するアニエス・トゥルブレ(アニエスベー)の初監督作『わたしの名前は…』、先ごろ引退を表明したツァイ・ミンリャン監督の『ピクニック』、フィルメックスの常連アモス・ギタイ監督の最新作『アナ・アラビア』など注目作を次々に上映。平日昼間に足を運ぶことが難しい観客は多いが、連日21時20分より朝日ホールと同ビル内のTOHOシネマズ日劇にてレイト上映が行われており、会社帰りと思われる観客の姿も目立つ。
なお、コンペティション部門の授賞式は30日(土)の夜に行われ、クロージング作品としてポル・ポト政権下のカンボジアの真実を描いた作品『THE MISSING PICTURE(英題)』が上映される。
第14回東京フィルメックス
12月1日(日)まで
有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて開催中