『47RONIN』を手がけたカール・リンシュ監督

キアヌ・リーヴスが主演を務めるアクション超大作『47RONIN』が12月6日(金)から公開になる。日本の“忠臣蔵”を基に米国のスタッフが新たなアイデアを投じて完成させた本作は、ハリウッド大作の躍動感と娯楽性を損なうことなく、赤穂浪士の物語の“普遍性”に迫った作品だ。そこで来日を果たしたカール・リンシュ監督に本作の注目ポイントを語ってもらった。

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本作は、あの“忠臣蔵”の物語をベースにしたアクション大作。吉良(浅野忠信)とミヅキ(菊地凛子)の陰謀によって、主君・浅野(田中泯)を失い、身分を奪われた大石(真田広之)率いる浪人たちが、素性不明の混血の男カイ(リーヴス)と共に主君の仇をうち、吉良の毒牙にかかった姫ミカ(柴咲コウ)を守り抜くべく壮絶な戦いを繰り広げる。

リンシュ監督は短編やCMの世界で活動してきたビジュアリストだ。「以前から四十七士の史実やエピソードについては知っていたよ。そして、それをハリウッドで映画化することがリスキーなこともね。でもこの映画を成功させることができれば西洋人が観たことがない映画になると思ったし、日本人にとっても“初めて観る忠臣蔵”になると思ったんだ」。

そこでリンシュ監督は忠臣蔵の物語に日本の神話や民話の要素を大胆に導入して、新たな世界観を作りあげた。しかし、忠臣蔵に根付く“精神”は決して変えなかったという。「俺がこの物語で最も惹かれたのは“忠義”と“名誉”、そして結末で復讐の連鎖が閉じる部分だ。吉良が浅野を討ち、浅野を失った大石たちが吉良を討つ。しかし、大石たちは復讐を果たすのと引き換えに大きな代価を払い、そこで復讐の円環が閉じるんだ」。

監督と話していて驚くのは、想像以上に日本の文化に造詣が深く、映画が完成した現在も通訳やスタッフに質問して、さらに知識を深めようとしていることだ。「ハリウッドは世界中の観客に向けてジェネリックなものを見せたがっているけど、観客はユニークなものを観たいと思っているはずだ」と語るリンシュ監督の想いに世界の観客はどう応えるのか? 世界最速公開となる日本での反応とあわせて気になるところだ。

『47RONIN』
12月6日(金)より 全国超拡大ロードショー