オペラ『遠い帆』 オペラ『遠い帆』

慶長遣欧使節の大使、支倉常長の生涯を題材としたオペラ『遠い帆』(三善晃作曲・高橋睦郎脚本)。前回の2000年の仙台公演から13年ぶり、慶長遣欧使節の出帆400年を記念して、待望の新演出で上演される。

慶長遣欧使節出帆400年記念事業「オペラ『遠い帆』」の公演情報

1613年秋、伊達政宗の命を受け、ヨーロッパを目指して石巻・月浦を出帆した支倉常長ら慶長遣欧使節。数々の困難を経て、ローマ教皇との謁見を果たすも、故郷への帰還後、すでに移り変わっていた時代の趨勢の中で翻弄されていく。

本作は、戦後日本を代表する作曲家・三善晃の精緻で重厚な音楽スコア、脚本家・高橋睦郎による研ぎ澄まされたテキストで描かれ、1999年の仙台と東京での初演は、各賞を受賞。内外から賞賛を博し「和製オペラの代表作のひとつ」と評された。今年10月4日に惜しまれつつ亡くなった三善晃にとっての唯一のオペラ作品という点でも、今後、日本音楽史において重要な位置を占めることになるだろう。

13年ぶりの再演の新演出を手がけるのは、今年6月に新国立劇場で上演された和製オペラ『夜叉ヶ池』(香月修作曲)でも高い評価を受けた岩田達宗。苦難の旅路の中で人生を切り開いていった支倉常長の生涯を、東日本大震災を乗り越えて上演に臨む総勢約300人のスタッフとともに、力強く描いてくれることだろう。

慶長遣欧使節出帆400年記念事業「オペラ『遠い帆』」は、12月7日(土)・8日(日)に東京エレクトロンホール宮城で開催。チケットは発売中。