中澤佑二(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS 中澤佑二(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS

11月30日(土)、9年ぶりのリーグ戦制覇へ向けて、横浜F・マリノスがホームのピッチに立つ。アルビレックス新潟を相手に勝ち点3を手にすれば、最終節を待たずに優勝が決まる。新潟とのリーグ戦での対戦成績は8勝3分8敗と五分だが、ホームでは3連勝中で成績も6勝1分2敗である。

11/30(土)横浜F・マリノス対アルビレックス新潟 チケット情報

横浜FMのJ1リーグ制覇へ機運が高まるが、不安もある。センターバックの栗原勇蔵は左足痛を抱え、右サイドバック・小林祐三も下半身に張りを感じている。1.5列目に並ぶ齋藤学は決戦の舞台に立つため、左足関節炎で治療に専念している。シーズン終盤となれば、誰もがケガを抱えている。無理は禁物だが、優勝への強い思いが肉体を凌駕することもある。

前節・ジュビロ磐田戦は見事だった。胆のう炎で中村俊輔を欠いた32節・名古屋グランパス戦では1-2の敗戦を喫した。だが、背番号25がスタメンに復帰すると、本来の姿を取り戻した。前線のマルキーニョスから連動した守備を見せ、ボールを奪えば中村を経由した攻撃を展開する。チャンスは作れどゴールがこじ開けられなかった横浜FMだが、69分にコーナーキックのこぼれ球を中澤佑二が押し込み、勝負あり。スコアは1-0ながら、磐田をシュート2本に封じる完勝劇だった。

新潟戦は気負うなと言っても、無理な話である。だが、チームにはベテランの力がある。2003・2004年の優勝を知る中澤、マルキーニョス、ドゥトラがいる。リーグ最少タイの28失点という強固な守備がある。中村にボールを託せば、ゲームを落ち着かせてくれる。ゲームの主導権を握りながら、90分間でワンチャンスをものにすればいい。たとえ、相手に主導権を渡したとしても、直接フリーキックやコーナーキックという飛び道具を有す。「猛攻を耐えて守って、一発で決める」サッカーは、横浜FMのもうひとつの顔でもある。

もちろん、アウェイに乗り込んでくる新潟としては、目の前で胴上げを見るつもりはさらさらない。順位は8位ながら、3連勝をマークするなどチームは上げ潮にある。しつこいほどのプレスでボールを奪えば、一気にカウンターを仕掛ける。前線には得点ランキング2位につける川又堅碁と、右へ左へ動き回る田中達也が揃う。田中亜土夢、FWからコンバートされた岡本英也も分厚い攻撃を支えている。

果たして、11月30日(土)・日産スタジアムではどんなドラマが待っているのか。横浜FMがホームで歓喜の瞬間を迎えるのか、新潟が意地を見せ優勝争いは最終節までもつれにもつれるのか。J1リーグ戦優勝戦線を見届けたい。チケット発売中。