横谷繁(京都サンガF.C.)  (c)J.LEAGUE PHOTOS 横谷繁(京都サンガF.C.)  (c)J.LEAGUE PHOTOS

12月8日(日)・国立競技場でJ1昇格プレーオフ決勝が行われる。ただひと枠をかけた熾烈な戦いへ、京都サンガF.C.と徳島ヴォルティスが駒を進めた。

12月8日(日)1昇格プレーオフ決勝 チケット情報

昨年、J2リーグ3位ながらプレーオフ準決勝で敗退し苦杯を嘗めた京都は、その教訓と3位のアドバンテージを活かして逃げ切り、聖地・国立への切符をもぎ取った。相次いでいた負傷者が復帰したことが大きい。準決勝はV・ファーレン長崎に攻め込まれるシーンも少なくはなかった。だが、今季一番の勝負どころへ間に合ったDF酒井隆介を中心に、その攻撃を根気強くはじき返し、GKオ・スンフンがことごとくファインセーブを見せたのだ。敵将にも「今日は本当にオ・スンフンを100%褒めるべき」と言わしめるほど。決勝でも、強固な守備がプレーオフ制覇への道を作るはずだ。

だが懸念もある。準決勝は0-0のスコアレスだった。堅い守備で守りきるだけでは、一発勝負では心もとない。戦線復帰したFW横谷繁をはじめ三平和司、山瀬功治らが、決勝戦でゴールを奪えるかが鍵となる。中盤でゲームメイクに務めるMF工藤浩平は、「良い準備をして、最後に国立で(サポーターと)一緒に喜びたい」と、二度と同じ轍は踏まない決意を示した。

一方の徳島も、PKで先制した直後に追いつかれるも1-1で試合を締め、4位の利で決勝へと勝ち進んだ。今季の対京都の戦績は1勝1分と徳島に分がある。豊富な運動量でスプリントを続けPKを獲得したFW津田知宏は、今季チームトップの14得点をあげている。同じくFW大崎淳矢も8得点をマーク。昨年まで徳島に所属していた京都の守護神オ・スンフンの壁を撃破する力は備わっている。

しかし、不安要素がないとは言えない。準決勝のジェフ千葉戦でPKを沈めたFWドウグラスが、前半ロスタイムに負傷交代している。貴重な得点源の出場が危ぶまれている現状はかなりの痛手と言えるだろう。MF柴崎晃誠は「チーム一丸となって戦う」と力強く宣言。津田も「2年前に(あと一歩のところでJ1昇格を逃し)悔しい思いを(県民・サポーターの)皆さんと味わった。もうああいう思いはしたくないし、させたくない」とJ1昇格を誓った。“四国初のJ1”への思いが、勝利へ導く可能性は大きい。

果たして、J1行きの切符を手に入れ歓喜の渦に酔いしれるのは、悲願達成に燃える京都か、四国初のJ1チームを目指す徳島か。来季のJ1リーグを占う一戦は12月8日(土)キックオフ。現地で見届けたい。チケット発売中。