『ニューイヤーズ・イブ』を手がけたゲイリー・マーシャル監督(写真左) (C) 2011 NEW LINE PRODUCTIONS INC.

ニューヨークの大晦日を舞台に、1年の最後の日“大晦日”を生きる8組の人々の姿を描いた感動ドラマ『ニューイヤーズ・イブ』が現在、日本公開されているが、本作を手がけた ゲイリー・マーシャル監督がインタビューに応じ、豪華スターが総出演する本作を演出する“秘訣”を語った。

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本作は、日本でもヒットを記録した『バレンタインデー』を手がけたマーシャル監督の最新作。誰もが身近な人のことを少しだけ真剣に考えるホリデイを舞台にした群像劇だ。「『バレンタインデー』を作って成功して、脚本家と相談して、次は別のホリデイにしようかって話になったんだよ。『バレンタインデー』で得たものは“どの世代にもアピールできる”ってことだったんだ。だから本作も、観ている人たちにも共感してもらえるかなと思ったんだ。世代を超えて共鳴できるストーリーになってるからね」。

そして、本作にも豪華なキャストが集まった。サラ・ジェシカ・パーカー、ミシェル・ファイファーをはじめ、ヒラリー・スワンク、ロバート・デ・ニーロ、ジョン・ボン・ジョヴィ、ジョシュ・デュアメル、ザック・エフロン、アシュトン・カッチャーら主役級のキャストが顔を揃える。「もちろん無名の俳優でも、この映画はできるとは思うよ。たくさんの大スターがそろう作品もそれはそれで大変でね(笑)。とにかく出演者がみんな忙しくて“何かの合間を縫って撮影をする”という感じだったから、出演者が時間のプレッシャーを感じないようにリラックスさせるようにしたよ。ジョークを言って笑わせたり、準備中の時はみんなと話したりね」。ちなみに、先日来日したザック・エフロンはマーシャル監督との仕事をこう振り返る。「俳優やスタッフみんなが彼を喜ばせようとするし、彼も僕たちのベストを引き出そうとしてくれる』。本作は様々なタイプとキャリアの俳優がそろいながらも、俳優たちとマーシャル監督の“相思相愛”な関係によって見事に完成したようだ。

ちなみにマーシャル監督はコメディ出身で、自身も俳優のキャリアをもつ映画人。軽やかな作風と、何より俳優の魅力を引き出す演出に定評がある。「俳優として撮影現場に入ると、待たされることが本当に多いんだ。そうするとうまく“役に入った状態”をキープするのが難しい。だから1時間で撮影ができるように、出演者にとって居心地のいい環境を作って意見を聞くようにしてるよ」。マーシャル監督は、『プリティ・ウーマン』や『恋のためらい』など数々のヒット作をコンスタントに発表するベテラン監督ながら、俳優の気持ちや気持ちを身をもって知っている。そんな“同志の気づかい”が、多彩なキャストを集める本作を成功に導いたのではないだろうか。

『ニューイヤーズ・イブ』
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