サンドラ・ブロック

7年ぶりに来日した米女優のサンドラ・ブロックが4日、都内で行われた主演作『ゼロ・グラビティ』の来日記者会見に、アルフォンソ・キュアロン監督、プロデューサーのデイヴィッド・ヘイマンとともに出席。オスカー最有力候補の呼び声も高い本作を「困難に立ち向かう人間の姿が美しく描かれた、自慢できる作品」と絶対の自信を示す一方、自身にとって2度目となるアカデミー賞受賞の可能性について「それはありえないわ。この作品に出演するチャンスこそが賞に値するし、実際、一生に一度の素晴らしい体験をしたわ」と謙虚に語った。

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映画は船外活動中に宇宙ゴミ襲来を受け、漆黒の無重力空間に放り出されてしまった女性宇宙飛行士(ブロック)が、次々と襲いかかるピンチを切り抜けながら、地球への帰還を目指すというサスペンス大作。すでに全世界で興行収入6億ドル突破の大ヒットを記録している。

全編を通して、孤独なサバイバルを強いられる役どころ。ブロックは「ここにいるふたりのクレージーな天才のおかげで、常にひとりぼっち(笑)。でも、私にとっては、孤独と向き合える理想的な環境だったわ」と振り返り、「常に宇宙服を着た状態だったから、演技にも制約があるし、最後は目での演技で勝負するしかなかった。フラストレーションも多かったけど、女優として学ぶことがたくさんあった」と手応え十分だった。

本作の完成に4年以上を費やしたキュアロン監督(『トゥモロー・ワールド』)は、「無重力状態で、物体がどう動くのか徹底的にシミュレーションした」といい、「サンドラの素晴らしい演技を台無しにしないためにも、映像のクオリティにこだわった」。本作が描くのは「逆境を通して再生する可能性を探る、エモーショナルな旅路」と力説し、「役者の演技、映像、劇中に散りばめたメタファーが互いを補完し合いながら、物語を紡いだ」と説明した。

また、『ハリー・ポッター』シリーズを大成功させた経歴を持つヘイマンは、「キュアロン監督から届いた脚本は、非常に明確でワクワクする内容だった。驚くべきことに、脚本の段階でほぼ完成した映画通りだった」と当時の興奮を明かし、「プロデューサーにとっては、才能あふれる監督と仕事することが何よりの特権」と野心作を撮りあげたキュアロン監督を称えていた。

『ゼロ・グラビティ』
12月13日(金) 全国ロードショー
※3D/2D同時公開