初ツアーを完走したB.A.P 初ツアーを完走したB.A.P

韓国出身の男性6人組グループ、B.A.P(ビーエーピ―)が12月5日、東京・国立代々木競技場第一体育館で、初のアリーナツアーのファイナルを迎えた。

B.A.Pのアーティスト情報

10月に日本デビューしたばかりだが、初ツアーでいきなり3都市6公演のアリーナツアーを敢行。大型LEDビジョンを駆使した舞台装置など、総制作費3億円のというステージは、動員数も規模もデビュー直度の新人としては破格だ。宗教の儀式のような壮大なオープニングとエンディング、生バンド、クラブDJなど、多彩な音楽アレンジを取り入れたシアトリカルなステージは圧巻だった。

シングル曲『WARRIOR』や『ONE SHOT』のように社会に対するメッセージを発信する硬派な楽曲がトレードマークのB.A.Pだが、『I Remember』では、ヒムチャンが悲しい恋物語のナレーションに挑戦。そこにバン・ヨングクが酒におぼれる男、デヒョンが電話ボックスから通じない電話をかける恋に破れた男たちを演じるなど演劇的な要素が取り入れらる初の試みも。また、生のバンドの演奏で『Fight For Freedom』をハードロックに変身させたり、『WARRIOR』韓国版ミュージックビデオにも登場するB.A.Pのウサギのキャラクター、マトがDJプレイを披露したり、ライブならではのアレンジを多用し、CDとは異なる音楽性で楽しませた。

MCはヨンジェ、ヒムチャン、デヒョンがリードしながら、ほとんど日本語で。ヨンジェがアニメ『NARUTO-ナルト-』の真似をしたり、ジョンアプとZELOが、アニメ『進撃の巨人』に出てくる奇行種の真似をしながらステージを駆け回ったりと大盛り上がり。また、恥ずかしがって断固拒否するデヒョンが、会場の大コールに促され「1+1はキヨミ、2+2はキヨミ……」と歌いながら手をつかって可愛さをアピールするもの「キヨミプレーヤー」を見せたりと、カッコよさだけでなく少年らしいコミカルな一面も披露した。

終盤には、「皆さんがいたからこのステージに立てる。これからも(皆さんと)僕たちだけの思い出を一緒に作っていきましょう」(ヨンジェ)、「僕たちと皆さんは心で繋がっているからずっと一緒。初めてのツアーを一緒に過ごせてうれしい」(ヒムチャン)、「これからもB.A.Pの音楽、そしてメッセージを感じてください」(バン・ヨングク)とファンに感謝を伝えた。また、ステージの上から毎回ファンをカメラに収めているヒムチャンは、『CRUSH』の間中カメラのシャッターを切りまくり、この日の思い出を記録していた。

本編が終了すると、B.A.Pの応援グッズであるホイッスルのつんざくような音が客席から沸き起こりアンコールを催促。最後は、床を踏み鳴らす力強いストンプ・ダンスが特徴の日本デビュー曲『WARRIOR(JP)』で幕を閉じた。

デビューから、すべてにおいてスケールの大きさが話題となったB.A.P。新人らしからぬ初ツアーで、ファンの期待値を一層高めた。

取材・文:坂本 ゆかり