谷垣健治が語る『グランド・マスター』の魅力

2013.12.9 17:12配信
『グランドマスター』 (C)2013 Block 2 Pictures Inc. All rights Reserved.

ブルース・リーに詠春拳を伝授した達人イップ・マンを中心に、カンフー界の頂点を極めようとする達人たちの戦いを、『恋する惑星』『ブエノスアイレス』などで知られる香港の鬼才ウォン・カーウァイが描いた話題作『グランド・マスター』。ブルーレイ&DVDが発売となった本作について、香港アクションを知り尽くしているアクション監督、谷垣健治氏に話を訊いた。

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「カンフーをテーマにしているけど、カンフー映画とも言いきれない。実在の人物を主人公にしているけど、伝記映画でもない。ラブ・ストーリーの要素もあるけど、恋愛映画でもない。ウォン・カーウァイらしい“抽象”の映画だと思いました。誉めているように聞こえないかもしれないですけど、すごく面白かったし、どこを切り取ってもいい画になっているのはさすがだと思いました」と語る。

ジャッキー・チェンやドニー・イェンのような本格派アクションスターと仕事してきた谷垣の目には、トニー・レオンやチャン・ツィイーのアクションはどう映ったのだろうか。「この映画のためだけに何年も訓練を積んできたことが、上手い下手ではなく自信として表れていますよね。そこに至るまでに費やした時間が俳優の自信や拠り所になる。例えば、詠春拳の構え自体は誰にでもできますけど、1分前に教えられてやるのと、何年も修行してやるのは全然違います。ウォン・カーウァイがいつも撮影に何年もかけるのは、俳優をその役として生きさせるためなんだろうなと、今回あらためて思いました」

そして谷垣は、映画の中で使われる“言葉の違い”も興味深いと語る。「映画の中で、トニーは広東語、チャン・ツィイーは北京語を話しています。ウォン・カーウァイは北と南の文化の違いにすごく興味を持ったんでしょうね。ドニー(・イェン)は、広東語と南拳(中国南方で伝承された拳法)はパンパンパンと小気味よいところが似ているとよく言うんですね。対する北京語や北拳は途切れないイメージ。言葉と武術にリンクする部分があるということにウォン・カーウァイは気付いていて、彼らの体に染み付いたリズムを表現するために、広東語と北京語のまま話をさせているんだと思います」。観賞時は、ぜひ北と南の言葉の違いにも注目してみてほしい。

『グランド・マスター』
Blu-rayスチールケース仕様 6090円(税込)
Blu-ray通常版 3990円(税込)
DVD通常版 3465円(税込)
発売元:ギャガ
販売元:松竹

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