市村正親14年ぶりの『スクルージ』が赤坂で開幕!

2013.12.9 19:25配信
ミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』  撮影:渡部孝弘 ミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』  撮影:渡部孝弘

12月8日、東京・赤坂ACTシアターでミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』が幕を開けた。英国の文豪ディケンズの『クリスマス・キャロル』をベースにした心温まる物語で、主人公のスクルージを市村正親が演じている。開幕前日のゲネプロに潜入した。

ミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』チケット情報

クリスマス・イヴの夕暮れ。守銭奴で街一番の嫌われ者・スクルージ(市村)は街の賑わいに背を向け、従業員クラチット(武田真治)への休暇を出ししぶり、甥のハリー(田代万里生)からの誘いも断っていた。その晩、かつての同僚マーレイ(安崎求)の亡霊が現われ、一晩のうちに自分の過去・現在・未来を巡る旅をするだろうと告げる。その予言通り、クリスマスの精霊たちが登場。富と引き換えに大切な人たちとの絆を失っていった自らの人生を振り返ったスクルージは……。

ミュージカル版で1990年代に3度、さらにひとり芝居としてもスクルージを演じている市村。他人と接する場面ではひたすら憎々しげで頑固さを前面に押し出す一方、ひとりぼっちになったときにはちょっとした仕草でチャーミングさを披露する。田代が二役で演じる若き日のスクルージのイケメンぶりに自分で惚れ惚れする辺り、現在の頑なさに覆い隠されてしまった本来の性質を匂わせていた。

ハリーの妻ヘレンは笹本玲奈で、若き日のスクルージの恋人イサベルも演じる。田代とのデュエットは聞き応え十分で、タイトルロール級のふたりが脇に回る贅沢さを実感する瞬間だ。ちなみにハリーといい、劣悪な労働環境にもめげず忠実に働くボブといい、スクルージのそばにいる男たちだけはなぜか彼を嫌っておらず、それぞれの配偶者を驚かせる。そういえば亡霊の身となった今もスクルージを救おうとするマーレイもまた、かつて彼の近くにいた男性だった。

めくるめく一夜が明け、人生を変える一歩を最初はおずおずと、やがて堂々と踏み出すスクルージ。2度目に登場するナンバー〝Thank you very much〟が、最初とは全く違った意味に聴こえてくる。

公演前に市村は「14年ぶりに演じてみたら、出ずっぱりだし年寄り役のわりに歌のキーも高い。ジムに通って体力つけながら1回1回を大切に、この作品の持つやさしさを伝えていきたい」と意気込みを語った。

公演は12月17日(火)まで東京・赤坂ACTシアター、12月25日(土)に横浜・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて。チケット発売中。

取材・文:山上裕子

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