「霧ヶ峰」の50周年記念ロゴ

【LOGOS~企業や製品の顔となるロゴの歴史を追う】 三菱電機のルームエアコン「霧ヶ峰」は、50年以上続く歴史あるブランドだ。2017年6月には、クロスフローファン(ラインフローファン)を採用したエアコンの世界最長寿ブランドとして、ギネス記録に認定された。

 ラインフローファンとは、長い円柱状の羽で送風する構造のこと。現在のルームエアコンの標準規格になっている。エアコン本体の軽量化を実現して、日本の住宅での据え付けを容易にしたことで、ルームエアコンの普及に大きく貢献した。

その初号機が登場したのは1967年。高度経済成長期の只中で、避暑地に別荘をもつことがステータスになる時代だった。人気を集めた立地のひとつが、心地よい風が吹く長野の高原だ。「この高原の快適さを家で再現する」という意味を込めて、霧ヶ峰のブランドが生まれた。

数ある避暑地から長野の地名が選ばれた理由について、三菱電機 静岡製作所営業部 ルームエアコン販売企画グループマネージャーの原田進氏は、「当社の保養施設が長野にあったから、という説がある」と説明する。

以前は床置きや窓用のブランドとして「軽井沢」や「上高地」「志賀」などもあった。現在は、セパレート型ルームエアコンのブランド名だった霧ヶ峰に統一し、製品を展開している。

デザインについては、「書道家に書いていただいた。当時は毛筆の文字が流行しており、漢字のロゴは一種の憧れだった。初めは縦書きのデザインもあったが、横書きに統一した。それ以外は、当時の思いを継承するため変えないできた」と話す。

現代では、冷房だけでなく暖房機能も備えるルームエアコン。涼しげな高原の名前を持つ製品から暖かい風が出てくる理由を原田氏に聞くと「三菱のルームエアコンのこだわりは、一人ひとりを快適にすること。現在はセンサとAIを駆使して、『人』の感じ方に応じて温度や風量を自動で調節しながら実現している」と即答した。

さらに特徴的な機能は、実際の霧ヶ峰の風を再現するモードだ。独自の左右それぞれ独立したフラップで、高原を吹き抜けるような全身にまんべんなくあたる風を出すことができる。

半世紀が経った今でも、初心を貫く姿勢が製品や機能、ブランド、ロゴに現れている。(BCN・南雲 亮平)

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