劇団四季『マンマ・ミーア!』 劇団四季『マンマ・ミーア!』

劇団四季のミュージカル『マンマ・ミーア!』が12月12日、東京・四季劇場[秋]で開幕した。東京公演は約2年ぶり。

劇団四季『マンマ・ミーア!』チケット情報

作品は、世界的ポップスグループABBAのヒットナンバー22曲で構成されるミュージカル。ギリシャの小島を舞台に、シングルマザーとして娘を育て上げた母・ドナと、結婚式を目前に控えた娘・ソフィを中心にした物語だ。母のかつての恋人たち3人の中から自分の父親を探し出そうとするソフィの行動が、思わぬ事態を巻き起こしていくのだが、その中で親子や恋人、友人、さまざまな関係における愛情の温もりが伝わってくる。エーゲ海の日差しの明るさが舞台上に現れたような、爽やかで楽しく、後味ハッピーなミュージカルだ。

そしてなんといっても、劇中で使われるABBAのヒットメドレーの楽しさ。「ダンシング・クイーン」「マネー・マネー・マネー」など、聞き覚えのある曲がこれでもかと登場、客席で身体を揺らしたくなる、ノリのいいナンバーが続く。コンサートのようなノリの良さと、誰もが共感する人間ドラマ。ミュージカルにおいて最重要項目である音楽と物語、そのふたつの柱が見事に共存した本作は、既存の楽曲を使用する「カタログ・ミュージカル」の代表格と称されるが、その称号も納得だ。

初日の舞台でドナを演じたのは樋口麻美。ドナには少し若い印象もあるが、娘を見つめる愛情深い眼差しや、パンチのある歌声は、力強く生きてきたシングル・マザーらしい貫禄があった。樋口は「2002年の日本初演から出演させていただいているこの『マンマ・ミーア!』に、ドナ役としてまた舞台に立たせていただけることを大変うれしく思っています。ABBAのヒット曲に乗せて、母娘の絆や友情、恋、様々な感動をお届けします。カーテンコールでは、ぜひ私たちと一緒に踊ってください」とコメント。その言葉どおり、客席が総立ちになるカーテンコールは今回も健在で、初日の客席ではペンライト持参の観客もチラホラ。熱狂のカーテンコールとなり、客席も舞台上も誰もが笑顔の中、終幕した。

2014年にデビュー40周年を迎えるABBA。このアニバーサリー・イヤーに再結成の可能性があることをメンバーが示唆したという報道もあり、ABBAブームが再燃しそうなムードが起こりつつある。そんなABBAソングを贅沢に楽しめるこのミュージカルも、お見逃しなく。チケットは現在、1月31日(金)公演分までを発売中。2月1日(土)から3月30日(日)公演分は12月21日(土)に一般発売を開始する。チケットぴあでは2月以降分において、インターネット先着先行「プリセール」を12月18日(水)10:00から20日(金)18:00まで受付ける。