<地域No.1店舗の売れる秘訣・ビックカメラ有楽町店>「専門店の集合体」を目指す 電気街とは異なる客層を取り込む

2013.12.17 10:35配信

オープンから10年以上がたったビックカメラ有楽町店。JR有楽町駅徒歩10秒というアクセスのよさに加え、周囲に銀座と丸の内という繁華街・オフィス街を擁し、売り上げを伸ばしている。デジタル家電・白物家電とも最新機種を多く揃え、スポーツ用品やクスリまで扱う複合店舗として、客足が絶えない。JRの3駅先に秋葉原電気街という巨大な競合地区が存在するものの、「専門店の集合体」を目指して電気街とは異なる客層を確保している。(取材・文/佐相彰彦)

ビックカメラ有楽町店

店舗データ

住所 東京都千代田区有楽町1-11-1

オープン 2001年6月

主要顧客層 30~40歳代の男性

従業員数 約1000人

●抜群のアクセスを武器に “量販店の初心者層”を開拓

西側に高級ショッピングエリアの銀座、東側にオフィス街の日比谷や丸の内を抱えるJR有楽町駅。周辺には、東京国際フォーラムや東京交通会館などの集客施設も多い。しかし、家電を扱う店は少ない。中央通りのアップルストア銀座はショールーム的色彩が強い。また、11月にオープンしたラオックス銀座本店も、外国人観光客をターゲットに据えて、家電製品だけでなく日本の伝統工芸品も扱うなど、一般の家電量販店とは毛色が違う。総合家電量販店は、ビックカメラ有楽町店だけといっていい。

ビックカメラ有楽町店は、有楽町そごうが撤退した読売会館に、2001年6月、ビックカメラ/ビックピーカン有楽町店としてオープン。2003年のビックカメラとビックピーカンの合併に伴って、現在の店名になった。JR有楽町駅の目の前で地下鉄の出口に直結と、アクセスは抜群。オープン前には、銀座に隣接する地に超大型の家電量販店ができるということで大きな注目を集めた。しかし、付近に競合はいないものの、JRで10分弱の秋葉原には秋葉原電気街があり、同じく20分程度の新宿には複数のライバルがいる。さらに、山手線内には、池袋、渋谷という家電エリアもある。高級ショッピングエリアとオフィス街に隣接するというそれまでの家電量販店にはない立地から、成功を疑う声もあった。

ところが、「有楽町ビックで逢いましょう」をキャッチフレーズにオープンしたとたん、多くの来店者を吸引。付近に家電量販店がないことがプラスになっただけでなく、それまで秋葉原電気街や新宿、渋谷、池袋を訪れたことのない、いわば“量販店の初心者層”を開拓し、たちまちのうちにビックカメラの旗艦店の一つに数えられるようになった。

●幅広い層に対応した品揃えと接客 信頼に応える店舗づくり

ビックカメラ有楽町店は、駅改札から10秒とアクセスが抜群で、建物は電車に乗っていてもいやおうなしに目に飛び込んでくる。そんな山手線の通過客を途中下車させる力をもつ店舗だけに、客層は実にバラエティに富んでいる。平日は付近に勤務する会社員、銀座を訪れた主婦、学生が中心で、休日には家族連れも来店する。そのなかで最も多いのが30歳以上の男性で、全体の7割を占めるという。とくに、流行に敏感なアーリーアダプタを確保しているのが有楽町店の強みだ。塚本智明店長は、「最新機種の品揃えならどこにも負けない。お客様は、ここに来れば自分のほしいものが必ず手に入るという意識をもっていらっしゃるのではないか」と捉えている。

こだわりをもつお客様の期待に応えているのも、特徴の一つ。例えば音響関連の売り場には、さまざまな高級スピーカーを体験することができる個室のほか、高音質のハイレゾ音源の体感コーナーを設置。ここは、遠方からの常連客も多いという。

もちろん、こうしたデジタル・AVファンだけでなく、誰もが安心してデジタル機器を購入することができる環境づくりにも怠りはない。パソコンやデジタルカメラなどの修理や診断・買取り・下取りなどのサービスサポートカウンターを設置。塚本店長は、「パソコン売り場の最も目立つ場所に設けた」と、安心感の提供をアピールする。このほか、デジタル機器にくわしくないお客様のための相談カウンターや、白物家電の売り場で複数の商品を購入するお客様向けに、まとめ買いカウンターを設置している。こうした取り組みによって、幅広い層のお客様を確保しているのだ。

客層が多彩であるということは、応対するスタッフにも、それなりの対応力が求められるということ。スタッフのスキルは、他店はもちろん、ビックカメラのなかでも最高の商品知識、接客レベルを目指している。「当店は、お客様が要求する接客レベルが非常に高い。これは当店を信頼してくださっているからこそ。これに応えるために、スタッフには常に情報のアンテナを張っておくように言っている。信頼に応えるために日々の努力は欠かせない」と、勉強会やトレーニングを徹底。ただ、塚本店長が指導しているわけではなく、スタッフが自主的に実施しているものが多いという。

すでに年末商戦。ふだんの月以上にビックカメラ有楽町店に多くのお客様が来店する。「豊富な品揃えと的確な接客で、こだわりの専門店の集合体を目指して、常にお客様を満足させる」と、塚本店長は年最大の書き入れどきに臨む覚悟を話してくれた。

●店長が語る人気の理由――塚本智明 店長

ビックカメラ/ビックピーカン有楽町店の立ち上げに参画し、本部では営業部長として手腕を発揮。1年半ほど前、店長としてビックカメラ有楽町店に帰ってきた。「時代の流れなのか、歳なのか、街も店舗も様変わりしている」と苦笑する。開店当時は、機器に精通したパソコンユーザーなどが多かったが、現在は女性のお客様も非常に多くなった。時代の変化に伴って、「誰にでもやさしい店舗にしていかなければならない」と、品揃え、展示、接客のすべてに気を配る。「常に『いまはベターでしかない』と意識して、これをベストまでもっていくように心がける」。このこだわりが強みだ。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2013年12月9日付 vol.1509より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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