『ファイアbyルブタン』(C) Antoine Poupel

パリの超人気スポット“クレイジー・ホース”で80日間だけ上演されたクリスチャン・ルブタン演出のショーを映画化した『ファイアbyルブタン』が間もなく公開になる。世界中から観客が集まるパリのナイトショーの最高峰と人気デザイナーはなぜコラボレーションしたのか? “クレイジー・ホース”の総支配人アンドレ・ダイセンバーグのコメントが公開された。

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クリスチャン・ルブタンはフランスのファッション・デザイナーで“靴の魔術師”とも称されている人物。映画は、そんなルブタンが、パリのジョルジュ・サンクに位置するカルチャー・スポットで上演した『FIRE(ファイア)』を3D映像を駆使して撮りおろしている。

鍛え抜かれた美しいダンサーたちとアートが融合する“クレイジー・ホース”のショーは女性客からも支持を集め、有名人も多く足を運んでいる。以前からルブタンはこのショーに自身がデザインした靴を提供しており、総支配人のダイセンバーグは「あるときわたしは、いっそのこと彼をゲスト・スターとして迎えてショーをクリエイトしてもらったら面白いのではないかと思いついたのです。クレイジーホースとルブタンはお互い、女性を美しく見せるために同じような仕事をしてきました。ですので、彼とコラボレートするのはとても自然なことで、理に叶っていると思いました」と振り返る。

10歳の頃からショーと、そこで踊るダンサーに魅了されてきたルブタンはこのオファーを快諾。“歩き方の美”をコンセプトにしたショー『ファイア』を創作した。ダイセンバーグは「彼は振付家でも衣装デザイナーでも演出家でもありません。いわば大きな意味でのクリエイターです。彼が素晴らしいのは、様々なものからインスピレーションを受けている、その多彩さにあります。たとえばヒップホップにクラシックなものを混ぜたり、ストリート・ペイントから影響を受けたり、デイヴィッド・リンチを起用したり。そうした要素を私たちにもたらしてくれます」と分析する。

独自の美学を貫いてきた“クレイジーホース”と、鮮烈な作品を次々に発表し続けるルブタンはそれぞれが確固なる世界観を築き上げているが、今回のコラボレーションは相思相愛の関係で実現したようだ。

『ファイアbyルブタン』
12月21日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開