【文房具】スピーディーに仕事が進む「テープのり」をご存じ?

2011.12.27 12:00

わたくし、文房具の中でも「テープのり」というジャンルの製品が好きで、新製品を見つけるとつい買ってきてしまいます。極めて薄い粘着剤をフィルム素材のテープに載せてロール状にしたものをケースに入れた製品。とても便利で皆さんにも是非お勧めしたいのです。ところが残念(?)なことに、製品の外観が「修正テープ」に酷似しているため、「テープのり」という製品がこの世に存在していることに気付いていない人もまだおられるようです。まずは代表的な製品をご覧ください。

 わたくし、文房具の中でも「テープのり」というジャンルの製品が好きで、新製品を見つけるとつい買ってきてしまいます。極めて薄い粘着剤をフィルム素材のテープに載せてロール状にしたものをケースに入れた製品。とても便利で皆さんにも是非お勧めしたいのです。ところが残念(?)なことに、製品の外観が「修正テープ」に酷似しているため、「テープのり」という製品がこの世に存在していることに気付いていない人もまだおられるようです。まずは代表的な製品をご覧ください。

 















鉛筆や消しゴムのブランド「MONO」で有名な(株)トンボ鉛筆のテープのり「PITテープのり」です。日本のメーカーでテープのりと言うと、私はまずトンボ鉛筆の製品を思い出します。なんだかベーシックな感じがするのです。そのほかにはコクヨS&T(株)が数々の工夫を凝らした多くのバリエーションのテープのりを積極的に開発しています。また、プラス(株)のテープのりはケース部分のデザイン的なトライアルがさかんと、各社とも個性ある展開を進めている状況。そのほか、内外多くのメーカーが参入しています。
 
テープのりの内部


















写真でご覧のとおり、テープのりの本体には2個のリールがあって、片方のリールに未使用の「テープ+粘着剤」が収まっています。本体の先端部分(=ヘッド)を紙面に押し付けて紙面をなぞると、粘着剤だけが紙面に転写され、テープはもう一方のリールに巻き取られる仕組みです。要は小さな両面テープがケースに納まっている感じ。一見簡単そうですが、粘着剤を快適に転写するためのヘッドの設計,テープのりをよどみなく送り出し、かつ、たるみなくリールに回収するメカ,つめかえ用カートリッジを交換する構造など、細かい作り込みが行われている精密な製品なのです。
 
テープのりは封筒の封かんに便利 














テープのりが活躍する場面。まず思い浮かぶのが封筒の封かん作業。限られた幅に直線状に粘着剤を転写できるのはテープのりならではのもの。次はスクラップ・ブックでの用途。写真や紙片を台紙に貼り付ける作業がスピーディーに行えます。私は仕事柄、ラッピング包装でも便利に使っています。
 
テープのりのメリットはその用途を見てわかるとおり、必要な箇所に必要な量だけ「狙い撃ち」して粘着剤を紙に転写できることにあります。例えばプラスの「norino」では、たった4mm角の小さいエリアでも大丈夫です。液状のりと違い、乾燥時間が不要なことや紙面を水分でヨレヨレにさせない点も大切。
 















あえてデメリットを探すなら、コストの問題でしょうか。標準的なテープのりはテープの幅が8mmで長さ14m前後。粘着剤を転写できる総面積に換算すると1120平方センチメートル、つまり33cm四方を接着するのに300円ほどかかります。(これでも以前に較べればだいぶ改善されました。)たしかに普通の接着剤に比べたら割高かもしれません。しかしテープのりの積極的な活用による時間短縮効果を考えれば充分に価値のある製品です。
 
また、ちょっとした配慮でテープのりを無駄なく有効に使うこともできます。それはいたって簡単な工夫。テープのりの「間引き塗布」です。接着したい箇所の全面に粘着剤を乗せるのではなく、大胆に間を空けてしまう方法。テープのりは粘着剤の塗る・塗らないを指先で簡単にコントロールできるので、必要最小限の粘着剤を分散して塗布すれば、使用量を大幅に削減できるというわけです。
 
比較的早い時期からドットタイプの粘着剤を採用していたザイロンの製品(参考写真)





















テープのりはまだまだ新しい製品のため、現在でも日々改良が行われています。テープのり開発史の中で一番のトピックスと言えばドット(点状)の粘着剤が開発されたこと。登場してまもない頃のテープのりは両面テープと同様、粘着剤が連続した平らな帯状でした。その後(私の記憶が正しいならば)ヘルマ社やザイロン社など海外のメーカーからドットタイプのテープのりが現れ、やがて日本の各社からも同様の製品が登場しました。これは、細かく独立した点状の粘着剤がテープに載せられたもので、従来の帯状の粘着剤に較べ、転写終了時の「キレ」が良く、テープのりの使い勝手が一気に高まりました。また、ドットタイプならばある程度曲線状になぞっての粘着剤転写も得意です。
 
最後に私が最近気に入って使っているテープのりをご紹介しましょう。「セロテープ」のメーカーとして有名な、ニチバン(株)のtenori(テノリ)です。
 













写真のとおり、粘着剤の違いで2種類あります。青いほうは「強粘着」タイプ。赤いほうは「強粘着パワータイプ」。値段はほぼ同じもののテープの全長に違いがあり、前者は16m,後者は10mとなっています。
 
じつはこの「tenori」、最初はメーカーからサンプルとしてセットで頂戴したものなのですが、使い始めるとなかなか良い感じ。サンプル分は使い切り、その後も自分で同じものを繰り返し買っています。サンプルの段階で記事にするとウソっぽいけれど、本当に気に入っているのでご紹介する次第。
 
ニチバンのテープのりは以前から業務用途で本格的に使っていました。従来製品で気になっていた箇所がいくつかあったのですが、細かく改善されていることが分かります。以前よりも扱いやすく改良されたドットタイプの粘着剤や、適度に軽く・適度にしっかりとした操作感、樹脂製スプリングが備わったヘッド部分が紙面によく追従するなど、完成度が高まっています。
 
けれども、自分が一番便利に思っているのは、同じ外観(ケースの色違い)で違う粘着剤のバリエーションを用意してくれたところです。たとえば宛名書きが印刷された紙片を封筒に貼る際、紙片の四隅は確実に貼れるように「強粘着パワータイプ」を。紙片の真ん中部分は、紙の浮き上がりを防止できる程度に「強粘着」タイプにと、適宜使い分けてテープのりのコストを圧縮できるわけです。赤と青。ふたつ並べると、ニチバンの「セロテープ」のパッケージでお馴染みのコーポレートカラーになるのも興味深いところです。
 
 
 











まだテープのりをご存じでないかた。文房具店に立ち寄りましたら、ちょっと探してみてください。

 

わだ・てつや 東京小猫商会:文具部1号、コモノ部3号。文房具サイト「ステーショナリープログラム」主宰、ウェブショップ「信頼文具舗」店長。著書「文房具を楽しく使う」シリーズ(早川書房刊)ではノートや筆記具を趣味として楽しむための基礎的な知識を提供。近年の文房具人気を支えるリソースのひとつとなっている。その他、商品開発・ブランディング等のコンサルティング、講演、イベントプロデュースなどを行っている。 ブログ公式HP 

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